山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ウクライナ&ポーランド取材日記1〜戦争中でも動物を救うひとたち

4月17日から5月3日まで、ポーランドとウクライナに行って来ました。

ロシアがウクライナに侵攻したニュースを見て、とても心を痛めていましたが、あるとき、犬と一緒に避難している人の姿を見て、そうか、戦争って動物も巻き込まれるんだなとあらためて思いました。

彼らはどうなるのだろうと検索すると、いろんな動物愛護団体が、戦争中でもがんばっていることを知って、胸の奥をぎゅーっとつかまれる思いがしました。

えらい、つよい、大事だよね。

どんなときでも動物を助けるひとがいる。戦争中なのに。

……そんなすごい場所に行ってみたい。動物を助ける人に会いたい。できれば取材したい。

そういう気持ちが止められなくなり、長年一緒にドキュメンタリーを作っているカメラマンとともにポーランドへ向かいました。

ワルシャワの中心部

到着したポーランドの首都ワルシャワはイースター(キリスト教の祝日)だったこともあり、にぎやかでお祝いムードに満ちていました。

街中にはウクライナの応援グッズを売る売店や緑と黄色のウクライナの国旗カラーにライトアップされたビルもありましたが、隣の国が戦争している危機感のようなものは感じませんでした。

 

翌日、車で4時間くらいかかって、ウクライナとの国境近くの町、プシェミシルに行きました。テレビのニュースなどでもよく紹介される、ウクライナからの列車が着くところです。

プシェミシル駅

駅舎は歴史ある建物らしく、外観も構内も美しかったです。

そして、構内は、避難してきたひとたちのためのコーナーとかお知らせとか、相談に乗ってくれるボランティアもたくさんいて、「ウクライナのひとを助けよう」モードにあふれていました。

 

黄色いベストを着たひとがボランティアで、私が話を聞いたかたはニューヨークから手伝いに来た、と言ってました。避難したひとに「なにか、困っていることはない?」と話しかけたり、ウクライナ語の通訳をするひとがいたり。すごい熱気でした。

 

 

(18歳から60歳までの男性はウクライナ国外に出られないので、避難してくるひとは、女性と子供たちがほとんどでした)

避難してきたひとたちのなかには、犬や猫と一緒の家族も結構いました。

「どこから来ました?」「犬と一緒でたいへんじゃなかったですか?」

…などの質問をしました。

長時間、列車に揺られて疲れているだろうに、みなさん、こころよく答えてくださって、

申し訳なくなるほどでした。

そして、犬を飼っている者のひいき目かもしれませんが、動物と避難している方達は思ったより、ずっと明るいんですよね。動物と一緒にいることが気持ちをなごませたのかなと思いました。

そして、なにより、避難してきたひとたちを助けようという盛り上がりに一番、心を打たれました。

行く前はですね、「国境近くの町は騒然としているから危険」みたいなことを言うひともいて、どんな感じだろうとドキドキしていました。

もちろん、私の知らないところで、恐ろしいことが起こっていたのかもしれませんが、

私が一番に感じたのは、世界はこんなにも友愛に満ちているということでした。

なんとかして、避難してきて、たいへんな状態のひとのために役に立とうするひとたちがたくさんいること、そのことに一番、心を打たれました。

戦争の悲惨さを伝えることもとても大事だけど、そんな渦中でも、

なんとかしようとするひとがたくさんいるってことを、私は伝えたいと思いました。

これから、16日間の滞在記を書いていきます。

朝日新聞のweb版のsippoさんにも明日(5月20日から)書いておりますので、よかったら、そちらも是非。

 

犬の気持ち。

歌人の枡野浩一さんから、大きな絵本が届きました。

 

シロのきもち

うちの薄茶色のハルに見せています。

 

シロがいろいろ家族と会話する絵本です。

犬と暮らすのはこういう小さな出来事のつらなりの良さですね。

ありがとうございました。

ザ・ノンフィクション再放送のお知らせ

phaさんたちの生活に密着した最初の番組

「お金がなくても楽しく暮らす方法」ですが、

CS放送(フジテレビTWO)での放送日時が

決まりましたので、お知らせ致します。

 

「花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~」も、

また新たに決まりました。

ご確認何卒よろしくお願い致します。

 

(フジテレビTWO)

 

5/8() 6:00~6:50 

お金がなくても楽しく暮らす方法

 

5/19(木) 18:00~18:50

花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~前編

 いろいろ、何回も放送してもらっております。

 

 

5/20(金) 18:00~18:50

花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~後編

 

 

https://otn.fujitv.co.jp/schedule/two/next_week.html

 

https://otn.fujitv.co.jp/schedule/two/next3_week.html

 

http://otn.fujitv.co.jp/b_hp/917200055.html

 

phaさん、再び。

はっ。ブログを更新しないうちに、新年になり、冬は去り、さくらの季節も過ぎてしまいました。

今更ですが、今年もよろしくお願いします。

 

以前、制作しました、日本一有名な元・ニート、phaさんを取材した番組が下記にて放送になります。

人気企画でありまして、この後も、何回か放送される予定です。

日程が決まりましたら、また、ここで告知いたします。

(フジテレビTWO)

4/17() 6:00〜6:50

会社と家族にサヨナラ… 〜ニートの先の幸せ 前編〜

 

4/24() 6:00〜6:50

会社と家族にサヨナラ… 〜ニートの先の幸せ 後編〜

 

https://otn.fujitv.co.jp/schedule/two/next2_week.html

 

https://otn.fujitv.co.jp/schedule/two/next3_week.html

 

http://otn.fujitv.co.jp/b_hp/917200055.html

 

わたくしは、相変わらずです。

ロシアによるウクライナの侵攻に胸を痛めています。

(一応、大学時代にロシア文学を専攻した身としては、ドストエフスキーやトルストイを生んだ、ロシア、どうしたんだ!目を覚まして、という気持ちです)

 

また、映像業界の性暴力についても、たいへん痛ましく思っています。

長くこの業界にいて、なぜ、もっと改善できなかったのか、自分でもできることがあったのではないかと思っています。

これから、このテーマに向かっていきたいと思っています。

 

ひとまずは、phaさんの再放送のお知らせでした。

自分としても大きな転機になった作品です。

 

働きたくない、という気持ちが市民権を得るきっかけになったかと思っています。

サントリーのCMに登場!

10年前に撮った映画「すべては海になる」

原作・脚本・監督をやりまして、主演は佐藤江梨子さんと柳楽優弥さんでした。

はじめてのことで、とてもとてもたいへんでした。いろいろあったなー。

それがですね、昨日から始まったサントリーのCMに、ワンカット登場することになって。

連絡をもらった時には、不思議でしたが、実際に見て見ると、じわーんと来ました。

 

サントリーのCM

www.suntory.co.jp

 

登場シーンは、書店員たちの飲み会。

猫背椿さんと岩瀬亮さんが飲んで、ククク……となっているシーンでした!

数々の名作映画にはさまれて、光栄でございます。

 

この物語は、書店が舞台で、佐藤江梨子さん演じる主人公は、本に救われた経験を持つ書店員で、同じく本好きの少年(=柳楽優弥くん演じる)と出会って、あれこれあってーという。

原作というか、もともと自分の書いた小説があって、それを映画化したんですねー。

書店の店長は松重豊さんが演じてくれまして、他の書店員に藤井美菜さん、吉川純広さんたち。

 

懐かしいような気恥ずかしいような。

 

すてきなCMなので、ご覧くださいませ。

 

 

ニューヨークフェスティバル銅賞受賞しました!

昨年、放送した「ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年」(フジテレビ)が、
ニューヨークフェスティバル2021にて、銅賞をいただきました。

10月13日午前7時からオンラインにて授章式があり、そのなかで発表されました。

授章式では、カメラマンの谷茂岡稔氏とうちの犬2匹、ハルとナツとともに、

つたない英語でスピーチしています。


(事前に収録しました)

f:id:akane-yama:20211013091853p:plain

f:id:akane-yama:20211013091918p:plain



本来ならラスベガスで授章式でしたが、コロナのためオンラインとなり、ちと、残念でした。
犬猫ものばかり作っておりますが、世界でも伝えられて、とても喜んでいます。

 

下記に行くと、オンライン授章式をご覧になれます。

私たちのスピーチは、01:07(1時間7分あたり)に流れます。

 

www.newyorkfestivals.com



 (newyorkfestivals.com)

 

もっと長くスピーチ撮ったのですが、

「この番組をきっかけに、小さな命について考える機会になったら

 うれしいです」

「地球は人間だけのものではないと信じています」

という、一番言いたかったコメントが選ばれていて、うれしかった!

f:id:akane-yama:20211013121558p:plain

 

花子と先生の18年 再び

今週末に、CS放送にて、

「ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年」が放送されることになりました。

 

映画「犬部!」がきっかけで、太田快作さんの取材を始め、一年間、ハナ動物病院へ

通いました。

途中、花子さんとのお別れもありましたが、動物と暮らすことの楽しさ、たいへんさ、

変えていったほうがいい問題など、たくさんのことを考えるきっかけになりました。

 

ご覧いただけると幸いです。

この番組は、ニューヨークフェスティバル2021にも入賞しまして、

来週には、さらなる情報をお届けできるかと思います。

 

(フジテレビTWO)

10/09(土) 11:00~11:50

花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~ 前編

 

10/09(土) 11:50~12:40

花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~ 後編

 

https://otn.fujitv.co.jp/schedule/two/next_week.html

 

http://otn.fujitv.co.jp/b_hp/917200055.html

 

映画「犬に名前をつける日」配信開始!

8月15日より、映画「犬に名前をつける日」がネットフリックスにて配信、始まりました!

 

2010年に犬を亡くし、2011年から撮影を開始し、2015年に劇場公開しました。

自社制作、200時間に及ぶ撮影、ドキュメンタリーにドラマを差し込むという初めての試み。

何から何まで、手探りで模索しながら作った映画です。

あれから10年、犬と猫をテーマにしたテレビや本を作り、今年は映画「犬部!」も公開され、

「犬は愛情を食べて生きている」も書きました。

自分にとっては、感慨深い作品です。

ネットフリックスご加入の方はこの機会にご覧いただけるとうれしいです。

 

f:id:akane-yama:20210815133432j:plain

 

https://www.netflix.com/jp/title/81485779

「犬は愛情を食べて生きている」

あっという間に7月になってしまいました。

今年2冊目になる本「犬は愛情を食べて生きている」(光文社)が刊行されました。

f:id:akane-yama:20210709152203j:plain

ハル、張り切って宣伝中です。ナツも。それぞれの方法で応援してくれています。

f:id:akane-yama:20210709153128j:plain

この本は、昨年放送した「ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年」(フジテレビ)を作ったあとに、もっと獣医師・太田快作さんを取材したいと思い、はじめました。

 

f:id:akane-yama:20210709155105j:plain

 

ドキュメンタリーを撮影している時にいろいろ話を聞くわけですが、全部は紹介できないし、

そもそも、映像化が難しいテーマがありました。

たとえば、太田さんは大学時代に全国の獣医科大学(当時は16ありました)をまわって、

外科実習(保健所などからもらいうけた犬を使って実習する、基本安楽死となる)をやめて、

命を奪わない代替法を広めようとしたんですね。全国代替法ツアーと呼んでます。

これ、すごい話だなーと思ったんです。学生が大学教育を変えようとしたなんて。

ある種の学生運動みたいだし、相当な覚悟がないとできなことだろうと思いました。

結果、現在では、日本のほとんどの獣医科大学では、犬の命をうばう実習はやっていません(2018年から)

もちろん、太田さんたちの活動がすべてを変えたわけではないけど、「日本の獣医学教育を変えた」と仰る大学教授の方もいらっしゃって、影響は大きかったんです。

 

これはもっと調べたい。関係者に話しを聞きたい。他にも太田さんは大学時代にいろいろな挑戦をしているので、そのあたりのことを取材したいと思いました。

これは、映像表現より本の方が向いているだろうと思って、書くことに決めて取材をはじめました。去年の11月から今年の3月くらいまで。

北は北海道から南は神戸まで行ってですね、20人ほどの方からお話を聞きました。

とても面白かった。それをせっせと書きました。同じ時期に、「犬部!」小説版を書いたので、ほとんど休みなく、毎日原稿用紙10枚は書く日々でした。

そんなわけで、読んでもらえたら嬉しいです。ここ数年でいちばん、頑張りました。

 

それから、7月10日(土)より、ネットフリックスにて、映画「犬に名前をつける日」配信開始ですと、お伝えしましたが、10日からエンコードで(なんのこっちゃ?)、実際の配信はもう少しあとだとのことです。(ちゃんと教えてほしかった、ネットフリックスさん)、

配信日が決まったら、あらためてお知らせします!

 

[http://:title]

 

 

 



映画「犬部!」小説版、出ました!

6月7日(月)、明日ですが、映画「犬部!」小説版が、朝日文庫さんより発売です。

 

映画の脚本を書いたあと、書ききれなかった部分を書きました。

f:id:akane-yama:20210606194721j:plain

「犬部!」小説版を宣伝中のハルナツ(やる気なし)

 

f:id:akane-yama:20210606194840j:plain

映画「犬部!」小説版なり。



 

 

主人公の花井颯太やその親友の柴崎涼介、犬部に参加する秋田智彦、犬部の猫担当、佐備川よしみ……。

今では、懐かしい友達みたいに思えます。

(書いている間中、つきあっているのでね)

 

彼らの名前のヒミツをここであかしましょう。

 

花井颯太はですね、モデルになった獣医師・太田快作氏の愛犬「花子」から「花井」をもらい、颯太はですね、颯爽と走り出すようなヤツ、ってことで名付けました。

林遣都さん、映画のなかで、実際に走りまわってました、颯爽と!

 

他の3名には実は、犬猫が盛り込まれているのでした。

柴崎涼介は、「柴犬のように真面目で忠実で、でもその分、生きるのが下手なところもあって…」という性格を盛り込みました。

涼介という名前は、涼やかなイケメンのイメージで名付けたところ、

中川大志さんに決まって、「涼やかでイケメンで一途っぽい」ところがぴったりでびっくりしました。嬉しいサプライズというやつです。

 

秋田智彦はですね、はい、そうです。秋田犬のイメージです。

秋田犬は大型で一見恐そうにも見えるんですが、人懐こい部分もおおらかな部分もあって、

そんなイメージでした。裕福な家で何不自由なく育ったひと…という感じ。

智彦は実は友人のカメラマンの名前で、明るくて楽しいひとだけど、テーマによってはすごく真剣になるので、そこからもらいました。

浅香航大さんが演じています。浅香さんはいろんな役ができる方で、「あなたの番です」とかのあの刑事さんとかも大好きなんですが、今回もばっちり秋田犬、じゃなくて秋田くんになってました。

 

そして、佐備川よしみ……。

これはなかなかわかりにくいと思いますが、「サビ猫」から来ています。モデルになった太田快作氏が「サビ猫好き」でして、それを反映させました。

サビ猫って、優しい性格の猫が多いらしいんです。太田さんがある事件により、落ち込んでいたとき出会ったのがサビ猫だということで、彼のピンチに現れる猫というか人として、

サビ川となづけました。

(この事件については、今月末に発売になる、「犬は愛情を食べて生きている」(光文社)というノンフィクションに書きましたので、興味のある方はそちらも読んでもらえるとたいへんうれしいです)

映画では大原櫻子さんが演じてくれてます。どことなく猫っぽくて、こちらもナイスキャスティングでした。

 

そんなわけで、「犬部!」小説版、よろしくお願いします。

 

 

 

[http://]