山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

スフレな午後


週末、京都/大阪の旅に行ってきた。
 旅といっても、いろんな用事の積み重ねであるので、例えば京都でお寺を巡る、というような優雅なものではなかった。
(まあ、おなじみ、書店は巡りました)

 そもそも、世間は連休であるということを知らず、ふらっと品川駅まで行ったら、のぞみは満席、あわや大阪まで立ちっぱなしの憂き目にあうところだったが、心優しい紳士のおかげで新横浜より座席をゲット。
(って、単に新横浜で奇跡的に下車したひとがいたのでした)

大阪、淀屋橋にて、ミッドセンチェリー風インテリアのイタリアンレストランにて、ランチ。東京に例えると、淀屋橋付近は、新生・丸の内という感じで、オフィス街におしゃれなレストランやインテリアショップが立ち並んでいる。同行して下さったのは地元・大阪の画廊経営者ご夫妻。さすが美術に造詣が深い方たちはお店選びにもセンスが行き届いている。

ランチだけどスプマンテ(イタリアのシャンパンですね)まで飲んじゃって。ごちそうさまでした。

午後は京都へ移動。ちょっと休んで、夕食は、京都・南禅寺の料亭へ。

 10年前、私に早く小説を書きなさい、と言って下さった大先輩の方と、ここぞ、京都って感じの日本庭園を見ながら、懐石料理をいただく。素材をいかした薄味が嬉しい。またも、ごちそうさまでした。

と、一日中、豪華なお食事の日であったが、翌日は、一転。  まずは、大阪梅田近辺の書店を巡る。だんだん、度胸のついた私に、もはや怖いものはない。特に関西人というのは話しかけやすいし、基本的に優しいので助かる。自家製ポップと本来あまり持ち合わせていない愛想を振りまき、営業活動。少しは売れているみたいで嬉しい。

 お昼は小さな喫茶店でチーズトーストで済ます。

 午後は、阪急電車に乗って、今夏亡くなった知人にお線香をそなえにいく。ある事情で(というか、一方的に私の落ち度から)、正式な葬儀に参加のできない身である。でも、生前、こんな私に優しくして下さった方にどうしても、手を合わせたかった。写真のなかで、その方はいつものように微笑んでいた。
ほんの一週間前までは元気で、ほとんど苦しまずに逝かれたと聞く。その方らしい最後だとしみじみ思う。

 その後は、京都・河原町に戻り、書店巡り。お祭りがあったらしく、四条通りはごった返している。気合いをいれるためのハイヒールがつらい。くじけて、リーガルにて、ローファー購入。
 リーガルの店主に
 「京都はどこへ行ってきた?」と聞かれる。
 「本屋さんです」と答えて不思議がられる。
 まあ、当然ですね。

 最終の新幹線に乗って帰宅。夕食は車内でお弁当。テレビの仕事を長くやっているため、
「お弁当」という言葉そのものが嫌いになるくらい、お弁当はたくさん食べてきた。だから、「お弁当」とはなるべくさけたい食事のひっとうである。でも、しかたない。

 そして、やっと写真にたどり着く。今朝はぐったりとだるいので、近所で最近、
話題のスフレ専門店に行く。
 朝っぱらから(といっても世間的にはお昼だ)スフレもないもんだろうと思われるが、疲れた朝にはお菓子が一番。しかも、ここの店のスフレは、ただものではない。きっちり15分ほど待たされ、できたてをいただくのだ。体が溶けていく。

 しかし、この店、広尾にあるんですけど、客はいつも地味な女性ばかり。どうしてかしら。
(店はとてもおしゃれなんですよ)
スフレと地味な女性の因果関係やいかに。