山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

嘘つきについて。

大谷健太郎さんの映画「約30の嘘」の予告編で、
椎名桔平演じる詐欺師が言う。

「ひとつ嘘をついたら、その嘘を守るために、さらに30の嘘をつかないといけなくなるんだ」
(科白の細部はちょっと違っているかもしれないけど、こんな内容)

なるほど、そうかもしれない。
でも、嘘をつきながら進む人生って結構つらいだろうなあ。
不倫しつづけるひとや、寸借詐欺を繰り返す人、クスリを手に入れるために
ひとをだますひと。
いずれ、自分を守る嘘が身体に張り付き始める。

それとも嘘も日常になってしまえば、それほどきつくないのかな。
ひとはどんな環境にも慣れるから。

映画の中の詐欺師は、(まだ、映画見てないけど)、魅力的な役者が演じるから
魅力的に見える。

だけど、現実は悲惨だ。
詐欺師の横顔は醜い。ちっとも魅力的じゃない。
でも、自分のついた嘘にうっとりしながら、時間を過ごしてしまうんだ。

いったい、どこに分かれ道があって、
どこから戻れなくなるんだろう。

たくさん嘘をついていたひとが消えて(死んで)
嘘だけが残る。
死んでみて、案外、嘘ばかりでもなかったことがわかる。
でも、たくさんの嘘のせいで、ほんの少しのほんとうも
全部、かすんでしまう。

その霞のなかで、命がとぎれるほど、人生って案外短い。

うそつきはきらいだ。
あ、なんのことかわからなくなりました。