山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

接待散歩

私くらいの年齢になると、「接待ゴルフ」や「接待麻雀」というものがある。
が、私はフリーだし、人付き合いが悪いし、ゴルフも麻雀もやらないので
誘われないし、誘われても行かないであろう。

が、同世代の男子などを見ていると、正月早々ゴルフなどに
出かけてゆくのである。
相手はスポンサーのお偉いさんであったり、俳優さんだったり。
これも仕事なのだから、仕方ないとはいえ、ご苦労なことである。

例えば、ゴルフ人口はどんどん減っているのであるから、
ゴルフ場なんかつぶして、ドッグランなどにしてはどうかと思う。
そうなると、「接待散歩」というものも生まれるかもしれない。

世を挙げての犬ブームである。
ゴルフだと行きたくないけど、「接待散歩」なら行きたいと思うひともいるであろう。
(それは、私)

「いやあ、来週の日曜日、○○局のプロデューサーと、ちょっと散歩でもいかがですか?」
「散歩ですか。いいですねえ、お宅はなにを?」
「うちはゴールデン2頭ですわ」
「ほほう、うちはチワワです」
「流行りもんがお好きなことで・・」
などと明るい会話に花が咲きそうである。

当日は、それぞれの車にそれぞれの愛犬を乗せて、
ゴルフ場改め、散歩場に集まる。
朝の新鮮な空気を吸いながら、まずはお互いの犬同士を合わせる。
自分の妻や子供やゴルフ道具および手腕は自慢しにくいものであるが、
自分の犬というのはいくら自慢しても、嫌みのないものである。
(でもないか?)

ここでしつけのしていない犬は大変な迷惑になるわけだが、
接待散歩が日常化すれば、どこの犬も相応の礼儀をまとうことになり、
やたらゴルフがうまいおやじが増えるより、よっぽど世の中のためになるような気がする。

犬たちは互いの尻を嗅ぎあい、敵でないことを確認する。
そして、それぞれの飼い主とともに、広大なゴルフ場あらため散歩場を
ゆっくりと歩くのである。

散歩の途中で、接待仲間と自分の犬の教育のほどを見せあい、
(うちの犬は両犬とも家庭犬訓練試験四級取得犬であるし、
 座れ待ては言うにおよばず、「くぐれ」「飛べ」などもできるので
 その勇姿をいかんなく発揮するであろう)
心を許し、話もはずむ。

ひとは動物とともにあるとき、素直になるものだし、嘘をつけないものである。
金属でできた棒(クラブともいう)を振り回し、小さな玉コロがどこへ飛んだかなんてことに一喜一憂するより、ずっと互いの心の距離が縮まることは確実である。

「あのプロデューサーは、視聴率のこととなると鬼のように恐ろしいけれども、ティーカッププードルといる時は、ほんとに優しい少年のようになってしまうんですよ」という事態が起こり、人間関係も滑らかになるであろう。

ああ、誰か流行らしてくれないかな。
『接待散歩」

ゴーカな散歩場で、午前中はお散歩、お昼にはクラブハウスに戻って、愛犬とともにランチ。
そんな習慣できたらいいな。

しかし、イギリスなどであってもいいはずなのに、聞かないなあ。

いつかベストセラー本ができて、儲かることがあったら、作ってみたいものだなあ、散歩場。これを読んだお金持ちの犬好きの方、一緒にやりませんか。

楽しいと思うのですが・・。