山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

銀座のホステス化現象

大きくは、「食用おやじ」の続編です。

思うんですけど、日本の女性は、ある時期から、「銀座のホステス化」したんじゃないかと。
銀座のホステス化、というのは、外見(服装やメイクなど)から振る舞い方から男性とのつきあい方に至るまで、かつては、玄人さんがやっていたようなマネを素人の女子も始めたっつうことです。

昔っから、銀座のホステスさんは、ブランドもの、お好きでした。
ホステスさんの衣装というのは、全体シャネル風だと思いませんか。
決して、コムデギャルソンを着たホステスはいないんです。

良家の子女と奥様の服装って実は、銀座のホステスとかなりテイストは似ています。
(むろん、良家の子女でありつつ、ホステスつうひともいるわけですけど、それはさておき)
つまり、金持ちで保守的な男性に好かれる、っつうことです。

しかし、一般女性は、この手の流れとは別の部分で生息していたわけです。かつては。
が、ある時期を境に、一般人のホステス化現象が始まりました。

ブランドもんを着て、リッチおやじをひっかけよう、です。

先日、WOWOWにて「バンズ・コギャルズ」という女子高校生の援助交際をテーマにした映画が放送されておりました。
なかで、リーダー格の女子高生が、
「やらせないで、どれだけ、おやじから金をとれるかが、プロとアマの差なんだよ」
とのたまっておられました。

これって、ホステスさんの台詞ですよね。
前に、銀座のホステスさんのドキュメンタリーを作ったことがあり、同じようなことをホステスさんはオフレコで言ってました。
「一度寝た客を何回店に通わせるかが勝負のしどころ」みたいなこと。

このような感覚が、今ではすっかり大衆化して、一般人でも
「私にどれくらい支払ってくれるか」が恋愛相手を決める基準になっていたりします。

安定した生活を保証してくれる相手を見つけ、結婚する。
それまではいろんな相手をとっかえひっかえ。

これは、お店を出させてくれるパパが見つかったら、引退する、っていってるホステスさんと似ています。

昨年来、世間をにぎわしている「負け犬」ですが、負け犬さんにもいろいろいて、ホステス風の場合もあります。
つまり、いいパパを探して引退しようと思っていたのに、なかなか見つからないから、ホステスが本業になっちゃった、って場合です。
(もちろん、そんなんじゃない負け犬さんもたくさんいるわけですが)

ですから、銀座のホステスさんが書かれた恋愛のハウツー本などが売れるわけです。
おそるべし、ホステスさん。

もちろん、すべての女性がホステス化したわけじゃなくて、一方、GAP化している女子もいて、(GAP化はですね、GAPに代表されるようなユニセックスの服装をして、考え方もユニセックスつうタイプの女子の大量出現です)、流れを二分している、とも言えるし、ある日はホステス調であるのに、ある日はGAPに戻る、という混在タイプもいます。

まあ、どっちにでもなれる、ってことは女性にとって幸せな時代であると思います。

私自身、お仕事の時はGAP的振る舞いを通しますし、が、いざと言うときは(どんなときだよ!)ホステスに早変わりもしますから、どっちが自分らしいかなんて、わかんないです。

24人のビリーミリガンではないですが、誰もが、多重人格になる時代、そうじゃないと乗り切れない毎日なのかもしれません。

ああ、それにホステスごっこって楽しいし。
最近、お座敷に呼ばれることも減りましたけれどもね。
とほほ。