山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

犬の見る夢


(犬の写真は、ホームページの写真館でも御覧いただけます)

私は二頭のゴールデンレトリーバーを飼っている。
下がカナ(10歳)、上に乗っているのが、カナの娘のミニ(5歳)。両方メス。

こいつらはよく寝言を言う。
夜は、私の寝ているベッドの下で、写真のような状態で犬たちは眠っている。
すると、夜中に犬の寝言で目が覚めることもある。
寝言、といっても、犬であるから、覚醒しているときですら、言語を発するわけではないので、寝言も当然、犬らしい鳴き声である。

ウォォ~ンとかクーッとか言っている。
時に激しく吠えることもあり、そんなときはその声にびっくりして、本人(本犬)が起きてしまうこともある。

あわてて目覚めて、
「おい、敵はどこだ!」
って感じで周りを見渡したりする。

で、自分が寝ぼけていたことに気づくと、ちょっと照れたような顔をする。
犬が「照れる」かどうかは、意見の分かれるところであるが、犬飼いの方なら、彼等が
ちょっとした間違いを犯した時に、「テヘヘ」という表情を見せることはご存じだと思う。

どちらかというと母犬であるカナの方が多く寝言をいう。
それはカナが年寄りで(人間になおすと60~70歳くらい)、
眠りが浅く、夢をたくさん見るのかしら、と思うけれど、人間の話で恐縮ですが、
私は年ともに、夢を見る回数が減ったので、年齢は関係ないかもしれない。

カナは幼少期、私が忙しかったこともあり、かなり孤独な時間を過ごしているし、
引っ越しも経験、飼い主の同居人の入れ替わりも経験、など、複雑な性格に育っている。

一方、娘のミニは、今の家でカナが出産し、三か月までは7頭の兄弟姉妹とともに、
毎日、とっくみあって遊びながら育ったおかげで、とても天真爛漫。
苦労した母とのんきな娘、といった感じである。
そんな背景から、やはりカナは複雑な夢を見ているのではないかと想定する。
宮崎アニメに出てきそうな緑の草原を全力で走っていると、飼い主が見当たらなくなる、とか。

それで、さみしくなって「キューっ」と鳴いたりする。

あるいは、大好きなチーズを見つけて、大喜びで走っていたら、同じようにチーズをくわえた犬と出会い、よし、あいつを脅かして、もう一個チーズを手に入れよう、と考え、
思いっきり、「わん!」と吠えたら、相手も吠えた。と思ったら、それは川の水に映る自分の姿で、チーズはぽとりと水の中。

というイソップ(だったか)的夢をみているかもしれない。

どんな夢を見ているにせよ、夢を見て寝言を言う、ということは、明らかに犬は感情を含んだ記憶を持っているということで、
(あって当然だし、だから飼い主との愛情関係を結べるし、訓練もできるんだけど)
その事自体がなんだか嬉しい。

その夢の中に、飼い主であるわたしはいるのだろうか。
夢とは犬にとっても、果たせなかったことや、行き場のない思いの集積だったりするんだろうか。
時々、うっとりするような表情をして、クーンなどと寝言を言うこともあり、
楽しい夢みているんだなあとうらやましくなったりもする。

できれば、犬のゆめのなかにはいってみたいなあ。

(カナ、ミニはホームページの写真館でお楽しみいただけます)