山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

コンピューターに代われないもの

日曜日の今日は、確定申告の準備に明け暮れた。
私は税理士さんにお願いしているわけだが、今や、確定申告ソフトもあるし、
インターネットでもできるようになってる。

よほど私も自分でやろうとかと思ったけど、
将来、ベストセラーになった時大変だし(笑)、
何年もお願いしてきたんだからと思って、やはりお馴染みの税理士さんに任せることにした。

しかし、将来的には税理士さんの仕事は減るのではないだろうか。
ソフトがもっと進化したら、毎月の収支を打ち込むだけで、申告用の書類も自動的に作成してくれる日がくるんじゃないかな。
もちろん、「ここをも少し削った方がいいですよ」というヒト的なアドバイスはできないかもしれないけど、でも、それだって、そういう相談をしたいときだけ、データを税理士さんに送れば、返事がくる、というシステムですみそう。

こうして、ヒトの仕事はどんどんコンピューターに奪われて行くのだな。

コンピューターに代替できないスキルがないと将来心配、などと思うけど、一方で、
コンピューターに代替できるけど、あえてヒトに頼む、というものもでてくる、というか
残るかもしれない。

今夜はお気に入りの青山のウナギ屋に行った。
この店は、ある意味でサービスが悪いといえるかもしれない。
案内されて、席についてから、メニューを持ってくるまで割と時間がかかるし、
支払いの時、いつものおばちゃんは電話中で、「ちょっと待ってね」なんて
目で合図しながら、ついついしゃべってる。
普通なら、客を待たせて何をやってる!っとところだろうけど
おいしいウナギを食べて満足だったので、近くの椅子に座っておばちゃんの電話が終わるのをのんびり待つ。
そのゆるさが結構好き。

この店は頼んでから、ウナギを焼くから出てくるまでにも時間がかかるけど、
待つ時間も見方を変えれば結構楽しい。
なんともいえないウナギの焼ける芳ばしい匂いを嗅ぎながら待つ。
だんだん食欲が刺激されて、ウナギを食べる心構えが出来てくるんだ。

だから、レジで少々待たされてもね。
電話を終えたおばちゃん、「ごめんなさいね~」なんて謝って、
会計を始めるんだけど、あんまり悪いと思っていない感じ。
待っている間に、出前のメニューなんか見てて、
「うちにも出前してもらえんのかなあ」なんてしゃべってたら、
「白金は無理よ。それに焼き立てのがおいしいからまた、ココに食べに来て下さい」
と言われた。

なんというか、こういうささいなやりとりは、やっぱりコンピューターにはできないよね。
税理士さんとも10年近いおつきあいなので、毎春にお会いするたび、
「去年は頑張りましたね」とか、
「出版関係のお仕事、増えましたね」とか何気ないおしゃべりもする。
これもコンピューターにはできない。

そんなわけで、心配することもないか。
何気ない人とのおしゃべりみたいなものが、実はとっても大切なのだよな。