山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

金曜のランチは白金で

という、ファッション雑誌みたいなタイトルをつけてみました。
金曜のランチ、よい響きですね。
shirokaneっていうのも、一部の方にとっては心地よい響きでございましょう。

けどさ。現実はキビしい。
本日の午後、ちょっと時間のあいた友人とランチをしようということになりました。
で、まあ、プラチナ通りまでいって、(たぶん最近できた)オープンエアのおしゃれなカフェ風(流行りのカフェ風じゃなくて、パリのカフェ風?)のレストランに入りました。

ええ、お客のおしゃれ度、美人度、おめかし度(しかもさりげなく)などは、たぶん、高得点でありましょう。「なんてきれいなひとがいるのかしら」と思ったら、女優さんだったりしました。(元・おにゃんこクラブのかた)

マセラティで元・モデル風の奥様をつれて、仕立てのよいシャツをお召しになった、「レオン」から飛び出してきたようなオジサマが乗り付けていらっしゃいます。ご近所の女子短大の学生と思われる華やかな一群が笑いさざめいていらっしゃいます。

お店のかたがたもよくしつけられた犬みたいに感じがいい。メニューの説明もていねいだし。開かれた窓からは初夏の風と新緑が心地よい。・・・

けどさあ、肝心の料理がちぃーっともおいしくない。いや、まずいというほどではないけど、「べつに~」って、何を食べても、反抗期の中学生みたいな感想しか言えない。

わたしは、前菜+パスタ+デザートを頂きました。1800円なり。まあ、範囲かしら?
友人は、前菜+パスタ+メイン+デザートのコースで2800円なり。このコースのパスタがわずか40グラムということで、友人は「僕がイタリア人だったら、許さないところだ」と、イタリア人でもないくせに、あわや、ケンカを売りそうだったので、必死でなだめました。

最後のデザートもイケてなかったなあ。そのうえ、紅茶は5回使った後のティーバックでいれたみたいにさえないの。

あのさ~、カッコはいいから、ちゃんと仕事しろよ!と怒りたくなりました。基本がなってないだろう。ここはなに屋なんだ? いざ、立ち上がり、「客のみなさん、ほんとに満足してこんなもん、食べてんですか?ほら、そこのシロガネーゼの奥様、そのとなりの銀座のホステスさんと同伴出勤のおじさん、そんなんでしあわせそうな顔していいの?」と演説したくなりました。
ニホンって(大きくでたけど)、おかしいよ、と。

ま、わたしたちも大人しく食べてたんだけどね。
(いや、連れはウルサイので、パスタの量を増やしてもらったり、ソースかけてもらったり、抵抗してたけど)

でもって、
なんでこんな店が成立するのかって友人と話してたんですけど、彼いわく、「どこの業界も同じじゃない?こんなドラマ、誰が見るんだよっていう出来の悪いものも放送される。なんじゃ、この本って小説が平積みされてたりする。どんなおかしなものも、なんらかの裏があって、流通するんだよ。ただ、長くは続かないよね」とのこと。

ようするにレストランも同じか。
ひとの店の悪口ばかりいってないで、反省しようということで、食後、しずしずとオフライン編集にでかけ、まじめに働いたのでした。

見かけ倒しじゃない作品づくりに励みたいものです。