山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

バレンタインにチョコをもらえなかった男

本日は、家事番組の編集でした。
慣れたお仕事、気心の知れたスタッフ、働きもののADさんに囲まれ、難なく、時は過ぎて行ったのですが、ちょとした待ち時間にロビーで本など読んでおりました。
(読んでいた本は、野田聖子さんの「だれが未来を奪うのか」です。実は、あした、野田聖子さん(衆議院議員!)にお会いするんですよ。そのための御勉強でした)

でもって、ちょっと本から顔を上げ、ぼんやりしていたときのこと。
ロビーにふたりの若い男性が入って来ました。見たところ、編集室のスタッフのようです。いわゆる技術さんです。ジーンズにTシャツといったラフなスタイルで、なにやら機材を手にしています。まあ、よくある光景です。

が、気になる会話が聞こえてきたので、耳をそばだてました。
「おまえさ、バレンタインにチョコもらった?」
「なんで?」
「それがさ、バレンタインにチョコをもらえなかった男には、別のことがあってさ」
「え?べつのことって」
「うん。つまりさ、バレンタインにチョコをもらえなかったかわりにね」

と、このような会話をしながら、私の前を通りすぎていきます。
バレンタインにチョコをもらえなかった男はどうなるのだ?と興味津々で、男たちのゆくえを目で追いかけます。
すると、
「バレンタインにチョコをもらえない男は、ジャージャー麺なんだってさ」
「なんだよ、ジャージャー麺って?」
「うん、それはさ」

え?なんなの、ジャージャー麺って?と私も身を乗り出したところ、
「おい、ちょっとドア開けて」と
ジャージャー麺の男が相方に告げ、相方は機材室の手動ドアを開け、ふたりは機材室に消えていったのです。

ふたりはそのあと、「バレンタイン」と「ジャージャー麺」の関係について、話あったことでしょう。

けど。
私はどうなる!
まさか、機材室にいきなり入り込み、「続きを聞かせて下さい」とは言えない。
悩んでいると、ふたりはふたたび、機材室から出てきたのですが、すでに肝心なところは話終わった様子で、
「そうか、そうだったのか」などと、質問していた男が妙に納得している。
そして、ふたりは来た道を戻り、別の編集室に消えていったのでした。

果たして、バレンタインにチョコをもらえなかった男は、なんでジャージャー麺なのか。 答えを知らされなかった苛立ちを押さえ、本を閉じ、想像しました。
(だって、物語を作るのがお仕事ですもの)

たぶん、彼等の共通の女友達に心優しいコがいて、バレンタインにチョコをもらえなかった男たちをあつめて、ジャージャー麺をごちそうしてくれたってオチではなかろうか。
にしても、なんでジャージャー麺なのか。
さらに、なんで6月にそんなことを話題にしているのか。

聞けば、他愛のない理由かもしれません。
が、妙に気になった小耳にはさんだ若者の会話でした。
おそまつ。