山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

正気を保つための家事療法

精神的に軽くやばい(?)感じな場所にいるので、以前から試みている「家事療法」にお世話になることにした。というのも大げさで、積極的に家事をするんですねえ。なぜなら、家事ってすべて自分でコントロールできるし、達成感あるし、おまけに家も片付くので、精神衛生上だけでなく、よいんですね。

ほかに、アニマル療法があり、これは犬をかわいがること。毎日やってます。以前はアルコール療法、お買い物療法、深夜の長電話療法などもあったけど、年々、アルコールに弱くなり、断念。お買い物療法は一時的な効果はあるけど、翌月、請求書を見て、後悔し、悩みを増やすことになるのでアウト。長電話療法は、どんどん相手を失ったので、今のところ保留。

なので、今日はあふれる靴の始末を思い立った。
靴たちは、すでに、備え付けの下駄箱には入らないほど増殖している。箱にいれて一部クローゼットに並べたりもしていたが、やつら、深夜に繁殖するらしく、(いや、ちがう、飼い主が気まぐれで買うからだ!)今では、玄関のタタキに、たくさんお客さんが来ているみたいに並んでいる。

なわけで、暑い夏の日、備え付けの下駄箱に、さらに靴を入れるコーナーを新設することを思い付く。乱雑に傘や犬グッズを押し込んでいる部分に、棚を作ろうと決意。思い付いたとたんにやりたくなるのが習性である。発案、即、実行が、わたしのテーマみたいなもんだ。

でもって、東急ハンズにおでかけ。日曜大工が趣味であったというか、本職が建築業であった父が、今のマンションに引っ越した時、いろんなところに余分に棚をつけてくれた。その段取りを記憶しているし、私自身、引っ越しの多い人生を送ってきたので、大工仕事はけっこう好きなのであった。

一時は入魂し、電気ドリルやコテなどを購入し、いろんなものを作ったりした。よぉし、棚作りじゃ。綿密に計測し、必要な板とダボという種類のネジを算出。元気良く(でもないか)東急ハンズに向かう。板を切ってもらって、ダボを購入。予定通りにとんとん進む。
物事がはかどらないときは、家事療法がよく効く。目の前で自分が計画実行したことが、予定通り進むと、自然と自信を取り戻すことができるのだ。単純だけど。

がしかし。思わぬ失敗が。 材料が揃って、家に戻り、下駄箱内の計測もすみ、あとは、実行という段になって、金づちがないじゃないかあ。計画では電気ドリルでいこうと思っていたけど、棚の幅が狭過ぎて入らないと判断。金づちで地道でいく予定だったのだ。

おう。金づちは逗子の別宅だった。
ったく、私の人生みたいに番狂わせだわ。なんで、なんで、金づちがないのよお。
すでに夜9時はまわっている。(だいたい夜に大工仕事をやろうとしたことも間違いだけど)金づちを買いたくてもこの時間では無理。借りに行けるほど親しい近所づきあいはない。

で、投げ出す。だめとわかると投げ出すのも早くって。
そんなわけで、家事療法が効いたのかどうかよくわからん。

相変わらず、靴は玄関にあふれたままである。合掌。