山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

運命じゃないひと

渋谷で映画「運命じゃなひと」を見る。なるほど、よく出来た脚本だったし、役者さんたちはみんな芝居がうまいし、面白かった。主人公(っていえるのかな)が、かぎりなく間抜けというか善良なんだけど、自分がだまされているってこと、全然わかってない。観客には彼のまぬけさがわかるんだけど。

けど。
わたしには、あの主人公、全然、笑えない。なぜなら、わたしもと~ってもだまされ易いから。教えてもらった携帯の番号がなかなかかからないとしたら、「書き間違ったのかな?」と思ってしまうタイプ。(詳細は映画のネタばれになるからここまで)

いわゆるなんでも「真に受ける」ってやつです。あーあ。もっと強い人に生まれたかったもんだ。まあ、いいや。

それとは別に、今日、打ち合わせでちょっと話題に上った話。韓国でも日本でも、初恋をもう一度やり直すって話が受けるって。だいたい、初恋のひとが何らかの事情で記憶喪失(!)になって再会して、一からやり直すってパターンだそうです。(「冬ソナ」などをひとつも見ていないのでここらへんの事情にうとくて)

なんでそうなるのでしょうねえ?ということでした。みなさん、そんなに「初恋」をよきものと思っているってことなのかなあ。生まれ変わってもあなたと恋に落ちたい、みたいなことなのかなあ。

初恋をやり直したいって思えるひとは幸せなのでしょうね。それはそれはよき恋であったのでしょうね。けど、そんなに良かったなら、一度でいいじゃないか、という気もするけど、もう一回味わいたいっていうのは、なんだかイヤラシイ感じがするけど。

突然、映画に戻ると、「運命じゃないひと」にでてくる、どのひとにも生まれ変わりたくないなあ。どのひともそれぞれ、大変そうで、あんまり楽しくなさそう。けど、現実のひとだって、そんなものかもね。

と、なげやりな夜。
実は、本日は誕生日でした。もう、年をとりたくないから、忘れたいけど、しかたない。誕生日に、思ったのは、生きるのはめんどくさい、でした。