山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

相手を選ぶ店



写真は、目の前の海岸の満ち潮のときと、引き潮の時の比較です。
こんなに、ちがうのよ。引いていったときの海の水はどこへ行っちゃうのかしら。ここが引き潮のとき、どこかが、大平洋の逆側が満ち潮になっているのかなあ。

ところで、昨晩は東京から来ている母親とともに、彼女の希望により、北鎌倉の懐石料理店に行った。名前は「幻燈庵」という、いかにもそれっぽいでしょう。

なんといっても、たたずまいがよかった。昭和初期に建てられたという和風の一軒家で、かの田中絹代さんもお住いだったとか。北鎌倉の駅より10分程の住宅街にあり、瀟洒な門をくぐると玉砂利の敷かれたアプローチが続く。

懐かしいような純和風の玄関を上がり、和服姿の若い美人女将が出迎えてくれる。とても感じがよい。案内されたのは、二階の奥座敷で、窓の外には暮れて行く鎌倉の緑豊かな住宅街。月がぽっかり浮かんでいる。

でもって、この座敷きにて、老齢の母親と二人で、嗜好にとんだお料理を頂くわけである。二時間近くかかった。りょうりは丁寧につくられていて、美味でした。が。

料理にも店にも全く罪はないけど、こういう店は母親とくるものではない。次の料理が運ばれてくるまでのあいだの退屈といったら。できれば、冷酒などさしつさされつしながら、ひっそりと秘密の相手と来たいものでした。

今日は、母親を東京まで車で送り、自宅にちょっとよって、必要なものをとって、また、逗子に戻って来た。帰りの高速を運転しながら、しみじみ、ひとりの気楽さがしみてくる。で、深夜に、葉山のデニーズに夜ご飯を食べに行った。土曜のせいが、すごく混んでた。

そんなひとりの夜。