山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

窓のそとの風景



写真は、うちの窓から見える景色。
手前に40階建てのマンション、となりに20階建てのオフィスビル。
いずれもまだ、完成していないけど、ひとびとが暮らすことになったら、40階+20階×○○名のひとたちから、日夜見下ろされることになるんだなあ。
まあ、いいけど。

各地で夏休みが終わったらしく、仕事関連のメールが矢継ぎ早に届く。いろんな打ち合わせ、いろんな企画、いろんなことを決めてどんどん進めていかなくっちゃ。

10日ほど、自宅を開けていたので、新聞がたまってしまって、今日、一気に読んだ。読んだ、といっても拾い読みだけど。いろんなことが起こっていたのだなあなどと感慨にふける。地震があったり、自殺系サイトからみの殺人があったり、しかし、今や選挙一色って感じなのかな。

こうやって、なし崩しに夏が終わって、韓国に行ったりロケしたりしているうちに、秋も深まって、2005年も閉じて行く。月日のたつ早さに目を見張るばかり。もともと、超後ろ向きの人間だけど、無理して無理して、働いたり、いろんなことやっているけど、時々、どうでもいいか、という誘惑に負けそうになる。

新聞の書籍広告を見ると、ハウツー本が売れている。軒並み70万部なんである。ううむ。小説よりハウツー本のが儲かるね。小説とは読みながら考えるものであるから、考えるのがめんどくさいひとには向いていない。恋愛小説を読んで恋愛について考えるより、「理想の男を見つけるための35のルール」などを読んで、手っとり早くいい男を手に入れた方が効率がいいというわけだろう。

で、ハウツー本の基本は「前向き」である。一時、流行ったポジティブシンキングってやつ。ちらっと見ると、「前向きな考え方が幸運を呼ぶ」とある。そうだろうなあ、と思う。後ろ向きなまま、いい目にあえるってことはないんだろうな、ないか。トホホ。

関係ないけど、うちの近所に「ポジティブ=前向き」という名前のスナックがある。このようなネーミングでなければ、見落とすような、いかにも昔のスナックという感じのたたずまいである。(入ったことないけど)、赤か黒のビロードのソファ席が2つくらいあって、カウンターには妙齢のママと無口なバーテンダーが座っているような感じ。カラオケの設備もあったりしてさ。東映の映画とかに出てくる「スナック」ってイメージ。

しかし、名前は「前向き」だ。「欲望という名の列車に乗って、絶望という駅に着く」んだったかっていうのあるが、「前向きという名のバーに出かけ、戻れなくなるほど酒を飲む」ってことになりそうだ。酒を飲んでまで「前向き」でいたくねえよ。っていうか、お酒を飲むという行為じたいが、後ろ向きとまではいわないにしろ、「停滞」であって進歩じゃないような。

いや、ちがうか。日本人は酒飲んで仲良くなるっていうから、サラリーマンのひとにとってお酒飲むって仕事だったりするから、前向きな酒もあっていいのか。なんてどうでもいいことを考え込む。

あ、都会生活一日にして、精神が破綻。
なんか、疲れちゃって。
困ったな、人生。