山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

生きてみないとわからない?

さきほどから、大石静さんの新作「四つの嘘」を読んでいる。大石静さんは脚本家だけど小説も書いていて、「愛才」なんかもとても新鮮な内容だったし、好きだった。でもって、「四つの嘘」ヒャ~。面白いよお。

70年代に同じ女子高に通っていた四人の女性たちが主人公で、現代(2003年頃)と当時が複雑にからみあうお話。まだ、途中なんだけど、楽しくって。

こういうモチーフで書きたい気持ちってすごくわかる。(って生意気ないい方かもしれないけど)。つまりさ、年をとって初めてわかることがある、なんていうのは、当然なんだろうけど、たとえは、17歳の時、輝く美少女だったりすると、ほんと無敵に見えるんだよね。世界は彼女の前にひれふす、って気がする。それは私の親友がそういうコだったので、実感としてそう思うわけだ。

でもって17歳当時の私は思ったんだ。
「こんなキレイで聡明な彼女はいったいどんな人生を送るんだろう。モデルか女優さんじゃなくて、もっと特別な、例えばヨーロッパの貴族と結婚するとか、アラブの石油王に見初められるとか・・きっと、私なんかが決して経験できないキラキラした物語が待っているんだろうな」と。

そんな友達がその後どんな人生を送ったかはここでは秘密ですけど、(って、別に悪い展開が待っていた、とかそんなんじゃないけど)、それはさておき、「四つの嘘」では、現在41歳の女性の今と、17歳のときの様子が描かれて、「ああ、このコはその後こんなふうになってしまうのよねえ」なんて、ひとの人生の時間を俯瞰で読むことができちゃうんだよね。だからね、生きてみないと人生なんてわからないものなのよね。(と言ったそばから、それぞれの人生の展開はすでに17歳の時のかいま見えていたとも思えるけど)

専業主婦になっているひと、脳外科医のひと、シングルマザーのひと、などなどが、錯綜して。ああ、この先が楽しみ。でもって、一気に読んでしまいたくて身をよじっているのだけど、昨晩殆ど寝ていなくて、昼間けっこうな肉体労働をし、今夜書くはずのエッセイを精神力、体力的に諦め、あさって韓国にロケハンに行くので、あしたはその準備やらうちあわせやら、いない間の段取りやらで、フル稼働の予定だから、まず、寝ないといけない。だから、読みたくっても読んじゃいけない。

でも、わかっているんだ、結末が。(って小説の結末ではなく) 今夜、私は朝までかかって「四つの嘘」を読むでしょう。そして、2日連続殆ど寝ずに、あしたは働き倒すでしょう。そして、明日の夜すら、徹夜になり、三日寝れないまま、スーツケースを転がして、成田に着く。だいたい海外ロケの前っていっつもそうなんだよね。

だから、機内では、機内食とばして、熟睡。ヨーロッパが近く感じられます。しかし、あさっては韓国だ。すぐ着いちゃうぞ。どうする、この先。