山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ホステスの頭脳

フリーになって15年になるけど、今年の年収はぶっちぎり、最下位を記録した。
制作会社をやめて、はじめてフリーになった時より、家出して彷徨したときより、とにかく、低年収。

仕事をさぼったわけでも、仕事いよいよ来なくなったわけでもなくて、要するに、「小説」をすべてに優先させた結果ですねー。いやあ、あっぱれ、文筆業、みごとに儲からない!

いえ、別にお金ほしさにやっているわけではないので、これはこれでいいんですけど、しかし、ここまで儲からないとは予想してなかった。(甘い!)

しかも、このままいったら破滅だけが待っているわけで、そう考えると恐ろしいことよ。昔ふうにいえば、正月の餅代もないぜ。

先日、元・ギンザのホステスさんと知り合い、彼女から奇妙な誘いを受けた。
「金持ちのおやじ集めての合コンやるんですけど、その時、呼びますねー」
あまり気乗りしない私にむかって、彼女はこう続けた。
「ホステスってほら、バカじゃないですかー。やるだけだから。だから、ちょっと粋なオヤジはですね、頭のいい女性と知り合いたいって思ってるんですよー」

彼女はいわゆる起業家ってやつで、なんかの会社を経営していらっしゃる。
(何度聞いてもその業務内容は把握できなかったが)
そういう経営者同士のおつきあいがあり、リッチおやじに女友達を紹介したりもするらしい。

彼女はその後も「頭のいい女」という言葉を繰り返した。
要するに、ホステス=カラダ、あなた(つまり、私)=アタマがウリってことを言いたかったらしいのだが、それはそれで、妙な気分になるもんだ。まあ、いいけどさ。

しかし、すかさず
「映画に出資してくれるひといたら、呼んで!」と頼むわたし。

そんなやりとりをぼんやり思い出した。

寒さが身にしみる年の瀬であることよ。