山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

格差社会の底辺と頂点で。

秋田県で起こった、幼児殺人事件。
被害者の近所に住む女性が逮捕されて、大きなニュースになっている。

高村薫さんの小説「マークスの山」を思い出してしまった。
つまり、殺意を抱いていた、あるいは、抱いていたかもしれない状況があって、そのただ中で、殺していないのに、相手が事故死する。すると、当然、殺人だと疑われ・・それを隠すために新たな殺人が起こってしまう・・ということ。

今日、逮捕された女性は、一ヶ月前に娘を事故で亡くしている。週刊誌などの記事によると、この女性、決して良い母親ではなかったらしい。育児放棄、あるいは、虐待に近い状況でもあったようだ。そんなとき、娘が事故死する。事故死であったのに、まわりからはあたかも母親が殺したかのように、噂される。追いつめられた女性は、次の事件を起こしてしまう。

というようなことを想像した。全然、ちがうのかもしれない。この女性、自分の娘は事故死ではない可能性があるからと警察に言っていたらしいし。

真相はわからないのかもしれないけど、知りたくなる事件です。

同じ日に、村上ファンドの村上氏が逮捕されている。こっちはインサイダー取引だ。同じ日に逮捕されたふたり。自己破産の末、生活保護を受けていた女性と、巨万の富を持つ男。テレビ的、週刊誌的にいえば、「格差社会の犯罪」かしら。格差の頂点と底辺の両端のふたりが、ひとりは子供という財産(といえるだろう)をめぐり、ひとりは株をめぐり、犯罪をおこす。

まさに日本の今を写す鏡のような事件でした・・などとまとめてみる。