山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

アンラッキー・サタデー

いやあ、さんざんな一日だった。

早い午後、インテリア小物を買うために、船橋にあるイケアに車ででかけた。すでに3回目なので、道順も覚え、渋滞にもはまらず、順調に到着した。広い広い店内だけど、買う物をだいたい決めてあったので、買い物自体もスムーズであった。(それにしても、イケアのものは、カワイイのに安い。)

買い物は順調に終わり、荷物を車に詰め込んで、帰路についた。最初の悲劇は、店を出てすぐ起こった。警備員の誘導に従ったら、大渋滞。まったく、動かない。やばいな~、これじゃ、予定の時間までに都内に戻れないよ~とはらはらする。しかし、渋滞はこれから起こるトラブルの前哨戦でしかなかった。

申し遅れたが、私の愛車は、イタリア・フィアット社製、現在は販売中止である、旧モデルのパンダである。このパンダ、スタイルはかわいらしく、数々の困難あれど、大量の荷物は運べるし、ハッチバック部分で犬2頭がくつろげるため、毎年の修理費にめげずに、愛用してきた。が、いつもどこか壊れているのである。

数週間乗らなかったら、すぐにエンスト。機嫌を取ってからゴー。半年前は、大雨の日、運転中にワイパーが折れる・・という事件もあった。だましだまし、最低速度で帰ってきた。命が縮む思いがした。

さて、イケアを出て、渋滞に巻き込まれ、暑かったので、渋滞中の禁じ手であるエアコンをつけた。え?エアコン、禁じ手なの?と思われる方も多いと思う。そうなの、例えばトヨタの車では考えられないと思いますが、パンダは渋滞中にエアコンつけると、かなりの確率でエンストするのよね。そもそも、ヨーロッパってエアコンの習慣がないでしょ。パリのホテルだってエアコンあるところ少ないしさー。エアコンは禁じ手だったけど、渋滞といっても、そろりそろり動いていたから大丈夫かな~と気を許してしまった。しかし、パンダくんは、私の気のゆるみを見逃さなかった。

しばらく渋滞を走っていたら、グルグルグーみたいなものすごい音がして、とりあえす走れるんだけど、エンジンに近い足もとが暑くなってくるし、聞いたこともないような音がするので、恐ろしくなって、メインの道路をはずれた。 側道に入り、近くの駐車場に止めた。ボンネットを開けると、ものすごく熱くなっているので、これが世に言う、オーバーヒートかしらと考える。さましたら、治るかなと、ボンネットを開けたまま、おとなしくしている。

次の手段を考えようと、あたりを見回すと、近くにはラブホテルばかり。
そうか、そういう道に入ってしまったか・・、と感慨にふけっていると、同じ駐車場に、妙齢のカップルが乗った車が入ってくる。駐車したまま、車内でなにやら、深刻そうな話し合いが・・・。

わー千葉ってすごいぞ、などと喜んでいる場合ではなく、そこにいるとまずいような気がして、だましだまし、少し進む。するとブックオフの駐車場があったので、とりあえず、入れる。ブックオフでは本を売ったり買ったりしていて、会員でもあるから、許してもらえるのではないかと考えたわけです。だって、見知らぬ街のラブホテルやパチンコやの駐車場は勇気いるよね。

それでもって、保険屋さんに電話。事情を説明し、レッカー車が来ることになった。40~50分かかりますから、と言われ、仕方なく待つ。待つ間、ブックオフを覗いたが、本を買うどころではなかった。トイレはパチンコやで借りた。そうこうするうち、レッカー車登場。つなぎを来た、走りや風のお兄さんが頼もしくやってきた。車をみてもらうと、「これはオーバーヒートじゃないすね」ということで、なんだかわからないけど、このままじゃ危険だから、修理工場に持って行きます、となる。

時間はすでに18時半くらい。店を出たのが、16時半頃だったので、すでに2時間近く経過。しかし、ひとまず、車の行き先が決まって、安心する。問題は荷物である。イケアにて、大きなクッション、スタンドランプ、30キロの重さのあるチェスト、衣装ケース、食器などなど、大量に買い物したわけである。それらをレッカーのお兄さんに手伝ってもらって、駐車場に下ろす。ま、タクシーを見つけて、載せ替えて帰ろうと考えたわけである。

いやあ、この考えの甘さったら。まず、船橋周辺で、流しのタクシーを一台も発見できなかった。そもそも渋滞してるし。で、タクシー会社に電話し、頼むとやっとつながり、「5,6分ほどで行きます」との回答。

タクシー代は保険屋さんが払ってくれることになっているし、ま、いいかと思っていたら、大間違い。タクシーは、10分過ぎてもこない。おまけに雨が降ってきた。荷物がなければ、近くのファミレスで待つこともできるが、重さ30キロのチェストを持って移動することなんてできない。しかも、イケアって自分で包装しないといけないシステムなため、ほとんどのものがむき出しなの。買ったばかりのクッションが塗れちゃうよ~。イケアのチラシを荷物にかぶせ、自分の頭にもタオルを載せて、ひたすらタクシーを待つ。雷がない、雨はどんどんひどくなっていく。

あーなにやってんだよーって感じ。これが映画のワンシーンなら、「災難に会い続ける主人公」として、物語の始まりなんだけど、現実となると厳しい。となりのビルの窓から、不審そうに見られるし。
荷物も自分もずぶ濡れになるが、タクシーは来ない。すでに30分が経過している。ここらへんになると、だんだんおかしくなってくる。「ひどい目にあってるなー」という気分で帰ってウキウキしてくる。今日買った物の半分くらいがダメになるな、修理代もかかるから、安いものを買いに行って、高い修理代がつく・・という笑えない話だなーと笑っている。

しかし、神様はまだ、健在だったようで、急に雨が止む。おう、スコールだったか。雨が止んだだけで、ラッキーだと思えるようになり、ヤブ蚊に刺されながら、駐車場でたたずむ。タクシーはもう来ないのではないか、と諦めかけた19時半過ぎ、ゆるゆるとタクシーのシルエットが浮かび上がる。おう、やっと来た。

無人島で、助け待つ心境だった。そんなわけで、タクシーに荷物を詰め込み、やっとこ、都内へ。家についたのは、8時半過ぎ。店を出てから4時間近くがたっていた。


そんなわけで、アンラッキーサタデー!