山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

手術、成功。



昨夜から今日にかけて、とても息苦しい時間を過ごした。昨夜、大量に出血し、深夜、動物病院に入院したミニ。(写真)朝10時なったら手術の時間が決まると聞いていたので、朝になるのが待ち遠しかった。夜中、万が一にも容体が急変した場合、緊急手術の恐れもあると言われ、携帯電話を握りしめて眠った。

夜、電話は来なかったので、朝10時に病院に電話。点滴と抗生物質の投与で落ちついているという。ほっと胸をなで下ろす。とりあえず、手術前の急変はなかった。電話で様子を聞いたあと、面会に行く。病院のかたすみで、ミニはぐったりしていたが、私を見つけると、無理にも起きあがり、尻尾をふった。そんなに体力使わなくていいから、と言っても、興奮する。しのびないので、早々に帰ってきた。

その後、仕事の打ち合わせがあったけれど、正直に言えば、上の空、ミニの手術のことが気になってきになってしかたなかった。命に別状のない手術とはいえ、なにが起こるかわからないし、ヒトなら、自分の痛みを言葉で表現できるけど、犬はそれができないし、犬は、自分に何が起こっているかを理解できないから、飼い主に捨てられ、ひどい目にあっていると考えがえるかもしれない。動物病院に来ただけでショック死する犬猫がいないわけじゃない。

そういうことが頭のなかをぐるぐるまわる。ミニは動物病院初めてではないし、最新の設備の病院なのだから、大丈夫だと何度言い聞かせても、さっき会ったのが最後になったらどうしようとか、なぜ、もっと早く病気に気づいてやれなかったのか、とか、子宮内膜症とは、子宮に細菌が入ることで発病するわけで、私の衛生管理の落ち度なのだ、とかいう考えが、次々押し寄せて、精神を平静に保つことができない。(今日、初顔合わせだった方々ごめんなさい。)

打ち合わせの後、家に帰る。手術が終わったら、電話で連絡がきて、面会できることになっていたから。帰り道、ケーキを買ってしまう。ミニが大変なときに、ケーキなんか買ってる場合か、という気持ちもありながら、なにか特別のことをしないといられない。家に帰り、ケーキを食べて、手術終了の電話を待つ。予定では18時頃と聞いていたのに、19時になっても連絡がない。16時半から始まったのだから、すでに3時間近く経過している。手術中によくないことが起こったのではない、というおもいがもたげ始め、そうなってくると、その思いを払拭することができない。はらはらしながら19時過ぎに電話すると、今、手術終わったところです、とのこと。

電話で経過を聞くと、手術は成功、経過も良好とのことで、19時半に面会できるという。しかし、手術でぐったりしているときに、私が行くことでミニが興奮し、かえって身体に悪いのではないかと考え、医師にそう伝える。「面会、控えましょうか」と。ところが、医師は、大丈夫ですから、会いに来てあげてくださいと言う。もちろん、一刻も早く会いたいので、19時半、出かける。

すでに麻酔の覚めていたミニは、ぼんやりしながら、朝と同じ入院室のかたすみで、うづくまていた。私に気づくと鼻をならして泣いた。腹を見ると、長さ20センチくらいの傷。かわいそうに、痛かったろうに、よく頑張ったねと思うと、私も泣いてしまう。泣くとミニがわたしの顔に口をよせて、涙を舌でなめとっていく。さらに私を元気づけようと、立ち上がる。なにやってんだ。見舞いに来た飼い主が慰められてどうする。

しばらく、ミニと抱き合って、泣き合って、過ごす。ほんとはそのまま、その床に泊まってもいいと思ったけど、迷惑なことわかっているから、すごすごと帰ってくる。あとは、敗血症などの感染症にかかることを防げば、順調にいけば5日で退院できる。けれど、まだ、安心できない。手術前は手術まで持つのかと心配で、手術中は、手術が成功するかどうか心配で、手術が終わっても、術後の経過が心配。どうあっても当分、平静な気持ちではいられない。

犬のことばかり、考えるのは、まともじゃないと自分に言い聞かせるも、片時も考えるのをやめることができない。正直、こわい。でも、もう、大丈夫なのだと信じて、前向きに働くことにする。手術費などで、50万円もかかってしまった。(はい、かなり高額なんです。とにかく、最善を尽くしたかった)だから、頑張って働かないと。

明日は面会が14時~18時なので、その間、ずっとつきそっていいかな、パソコンもっていって、ミニの病室の隅で、仕事しちゃだめなかなと思うけど、きっと断られるだろうな。


ミニ、手術、がんばったね。早くよくなって、早くウチに帰ってこようね。