山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

こうなってほしくない未来。



あら、このかわいらしいお顔はなあに?と問われたら、コアントロー入りカプチーノでござい。

さきほどまで、麻布十番~六本木で、ともに青い春を(!)過ごしたひとびとと会食しておりました。お写真は、しめに飲んだカプチーノ。ちなみに私のはハートの絵柄だったんだけど、すぐに飲んじゃったので、友人の業界では強面でおそれられているP(でも、心はとっても優しいのね)に撮ってもらいました。きゃわいい。そして、おいしい。

昨晩まで読んでいた本について少し。カナダの女性作家・マーガレト・アトウッド著「侍女の物語」。これは残酷な近未来のお話。なにが残酷って、そこでは、進化した一夫多妻社会が繰り広げられている。少子化、性風俗の乱れを理由に、厳粛さを求めるひとたちがクーデターを起こし、すべての女性に役割が決められる。自由恋愛はもちろん禁止で、女は正妻、売春婦、子供を産むためだけの侍女と呼ばれる女たちなどに種分けされ、年老いたらコロニーと呼ばれる場所で、死ぬまで重労働を課せられるようになっている。そんな社会のなかで、なんとか自分の生きる道を探そうとする主人公の物語だ。

主人公は政府高官の「侍女」であるから、彼の子供を産むためだけに、生活している。受胎可能時期がくると高官の部屋に呼ばれて、衆人環視のなかで、そういう行為をする。妊娠しないとコロニーに送られてしまうので、やるしかない。

読んでいるともう、うつうつとしてくる。不自由で理不尽で。でも、その理不尽さは、実は、つい最近まで、日常であったものだし、今でも、多くの男性の心のなかに、ちょっとした願望として残っているかもしれないものなんだ・・と思うと怖くなる。

クーデターが起こって、女たちから最初に取り上げられるのが仕事で、女は財産を持つことがゆるされず、銀行口座は凍結、キャッシュカードは取り上げられる。つまりさ、女自身が、男の所有物になるわけだ。このあたりが、現実に起こりそうでリアルである。最初に取り上げるのが仕事ってところがね。要するに、現在のように女性の意見が通るようになった背景には、女性が仕事を得て、経済的基盤を持つにいたったからた。それを取り上げてしまえば、女など、お楽しみ要員と出産道具に過ぎないのだ・・と言われてるみたいで。

なんとかかんとか、読み終わったけど、暗澹たる気分に。そして、こんなことは起こり得るし、多くの人々の心のなかに、このような革命(?粛正?)を待ち望む気持ちがあるのだと思った。世の中が乱れている!という感覚が、強烈な言説をもったヒーローの出現を期待してしまう。今なんか危ないよね。子供は自殺し、学校は履修科目をごまかし、政治は右傾化、エロい女性が増えて。このままじゃいかんって派手なこといって、時代を逆戻りさせるひとが現れないことをひたすら祈るのであった。