山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

聞き耳ずきん、妻のパンツに出会う。

お仕事のあと、某所のワインバーでご飯を食べる。小さな店でとなりの席の会話が筒抜けである。となりは、中年男三人組。中学の同窓会の帰りらしく、最初のうちは、中学時代の思い出話に花が咲いている。まあ、平和なことよのうと、聞き流している。

が、男たち、酔いが回るに従って、下ネタへ。ひとりが「あと何年できるか、わからんぞ」と言い出したことを皮切りに、「妻とやってるか」「どれだけ浮気したか」などなど、出てくる出てくる、恐ろしいお話。いわゆる業界人の多い界隈である。このような思いっきりサラリーマンの会話はめったに聞くことが出来ない。チーズフォンデユーを食べる手がとまり、耳のサイズが倍になる。

ちなみに三人の構成は、小太りで脂ぎったおっさん(中では一番小銭もってそう)、中肉中背でちょっとハンサムで口数の少ないひと、そして、その場を仕切ってたのが、銀行員とかが似合いそうなめがね、ポマードべっとり系の嫌みなおじさんという面々。

小太りオヤジが、「女房となんてできねえよ。もう10年はやってねえ」と豪語すると、嫌み銀行員、「俺はやってる。時々やっとかないと、浮気したときばれるから」だってさ。さらに、「うちの女房はおばさんパンツなんかはかないから今でもできるんだ」と自慢。う~、同級生に妻のパンツを自慢する男って。

小太りオヤジは、「二回り年下」の愛人などもいるようで、「女は結婚したがるから困るよ」だって。いねえよ、おまえと結婚したい女なんて。話の流れを聞いていると、この「二回り年下」の彼女、キャバクラ嬢じゃん。自分は恋愛のつもりでも、彼女はビジネスだってことがわからないのかしら。「俺がいくと、15万のところ11万ノ負けてくれるんだよ」だってさ。おめでたい。

このような不細工オヤジの話を、ハンサムくんは、「へえすごいな」とか「クラブとかあまり行かないからわかんない」などと控えめに相づち。なんとまあ、いい感じのひとであるか。やはり、若い頃からもてたひとは、いい年の取り方してるのねと勝手に解釈。(ハンサムに点の甘い自分であった)

話は、閨房についてまで及び、ここでは書けないはしたない話に突入していった。最初はおもしろがって聞いていたが、だんだん不愉快に。こいつらの妻が不憫に思えてきた。ま、妻も出会い系なんかで、適当に浮気してるんだろうけどさ。

あるいは、久しぶりに会った同級生だから、ちょっとオーバーに話したのかもしれない。ホントは女房の尻に敷かれているかもしれない。だってさ、終電逃したら大変だぞ!って感じで、ワラワラ帰っていった。そんなに遊び人なら、終電なんか気にするなよ。その20代の彼女の家に泊めてもらえよ。銀行員は、「俺は結婚する前から遊び人だから、一晩で10万くらいは使ってるよ」なんて言ってたくせに。

中年三人組が帰るとどっと疲れた。聞き耳の立てすぎ。それと、なんだか、悲しい気分に。聞きたくない話を聞いてしまった。まあ、連れに言わせると、「普通なんじゃないの」とのこと。まあね。「浮気ばれて、離婚できるかよ」「できねえよ、絶対」なんて言い合ってる三人組だもの、ほんとはびくびくしながら生きてるのかも。そう思ったら、そんな悪いひとたちじゃないんだし・・でも、やはり不愉快であった。

しかし、妻のパンツを自慢するっていうのにはかなり打たれて、「ぱんつま=ぱんつの妻たち」という連ドラどうかしら・・と盛り上がったことも報告しておこう。