山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ヒミツの花園

今日は、少し宣伝。
1月9日(火)夜10時から始まった「ヒミツの花園」(関西テレビ)は、友人の小松隆志の演出。他にも親しいひとが担当しているので、久しぶりにテレビドラマを見た。身内だからじゃなくて、けっこう面白かった。

ファッション雑誌の編集者の主人公(釈由美子)は、担当雑誌が廃刊になったので、漫画雑誌に移動になる。ここで人気漫画家・花園百合子の担当になるが、実は花園百合子とは男4人兄弟だった。それぞれに変人で、苦労の連続・・というコメディである。釈さんがもてない・運のない・断れない女を演じていてそれがかわいくて好感が持てた。やくざみたいな編集者(寺島進さんが熱演)や、天才肌だが、人格壊れ気味の漫画家を池てつさんが演じていて、楽しめた。

しかし、2ちゃんねるを見ると評価は厳しい。コメディらしくないとかテンポが悪いとか書かれている。私は不思議に思ったけど、たぶん、最近、コメディってかなりわかりやすい笑いをやらないとダメなんだろうな。かぶり物やコスプレ、お笑い番組に限りなく近いものをコメディって思うのかな。私はどたばたのお笑いよりもうしょっとシニカルで、事情のわかるひとだけがクスっと出来るモノのが好きだな。アメリカやイギリスのテレビのコメディってそっちが多いよね。(日本に来ているヒット作はね)。ある種の文明批評みたいなのがないと楽しめないんだよなあ。

そういう意味で、「ヒミツ」は大人のコメディに仕上がっていると思う。監督の小松さんとは20年以上のつきあいだけど、私は基本的に彼の演出が好きだ。ほんのわずかなことだけど、品のあるカット割りなんだよなあ。あと女性の描き方がゲスでない。

「プラダを着た悪魔」みたいな雰囲気も出ていたし、出版界、漫画界をデフォルメできていて、楽しめた。しかし、ほんの三ヶ月前には、影も形もなかったものが、こうして、しっかりした作品になっている・・というのが、テレビのすごさだよなあ、なんてことも感じた。小説書くのって、これを全部ひとりでやることなんだなあとしみじみ思う。脚本・演出から始まって、美術、撮影、照明。衣装、メイク・・そりゃあもう100名以上のプロが練り上げていくのだから、早いよなあ。チトうらやましくなる。誰か、私にも手を貸してくれ~。

というのは、おいといて、自分はひとりでも自分が書きたいことを書きたいと思って小説にやってきたので、これでいいのだ。テレビはたくさんのひとが助けてくれる分、不自由なところもいっぱいあるから。だから、小説では自由でいたい。それがないなら、なんのために貧乏してまで、こっち来たんだよ・・ってことになるよね。

おっと、脱線した。とにかく、「ヒミツの花園」よろしく、でした。ま、来週ですけれども。