山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

死体は窓から投げ捨てよ。

なんとなく、ネットサーフィン(っていうのも恥ずかしい言葉だけど)してて、本の雑誌の作家インタビューにたどり着く。そこで、中原昌也さんの回を読む。う~ん、面白かった。

中原さんは、「暴力温泉芸者」というバンドで結構、売れて、そのあと、「あらゆるところに花束が」で三島由紀夫賞になったりした、経路でいくと、町田康さんラインの作家さんだけど、書いてらっしゃるものは、ものすごいパンクっていうか、わからないひとには全然わからないし、仕事したくない、作家になりたくないとか各地でがんがん言ってて、(このインタビューでも言ってた)、なんだ、こいつ!って思うひとは思うだろうなあってタイプだけど、でも、実はとっても真摯な文学少年ぽい。

芥川賞の候補になって以来、賞狙いレースに組み込まれかけて、それって「ちがうな」って思って、小説書くのいやになったとか、たくさんのひとが共感するのが文学でしょ的な今の状況に耐えられないというか、関係ないってスタンスをとってる。言ってることがいちいち納得できるし、けど、それを実践するのは大変だよなあ。いや、本人は大変じゃないのかもね。ホントにそう思って、そう行動してれば。

東京の青山に生まれて、小さい頃から文化的環境に育って、高校中退して、六本木のWAVEでバイトして・・っていう、なんだか、最先端ぽいだけに、いやなんだろうなあ、いろいろ。たしかに今の「売れなきゃだめ、意味なし」的状況は、丸谷才一先生まで新聞に苦言を書いていたくらいだから、出版界ってその嵐が吹き荒れているのかもしれないなー。

自分はテレビ出身で、入ったときから、視聴率をとったひとが、この世で一番エライ、って教育をされていて、最初の頃は、自分もそのレースにのったし、そうじゃないと、仕事なかったから、実践したわけだけど、途中から、「そういうのもう、ヤダな」と思い始め、少数のひとに、好きなことだけ伝えてるように見える、小説界、出版界にスライドしたつもりだったのに、たどり着くとここも数字の帝国であった。

えっと。
だから、なに?ってことなんですけど、中原さんのインタビューが面白かった!ということと、気持ちはすごお~くわかりますってことでした。実践できるかどうかは別としてね。以上。