よく、「鴻上尚史の生き延びるために笑う」(ラジオ)をよく聞くんだけど、今週のゲストが作家の室井祐月さんだった。ホステス時代の、客の扱いなどの話をしていて面白かった。いわく、プロのホステスは絶対、客に惚れない。惚れているふりをして、どれだけお金を使わせるかが勝負だから、ということで、そのためのノウハウなどを話していて面白かった。一方、一時のしのぎのホステスは、客と恋愛もするし、すぐに流れていくコが多かったなど、どの世界でもプロとアマの差があるのだなあと。
で、続いて、作家業の話になった。デビュー当時は、よくない陰口をたくさん受けた・・と語っていた。そのなかに、「編集者や作家と寝て仕事とってる」というもの。そんなことは絶対ないのに、そう言われてむかついた・・と怒っていた。まあこれは、作家業じゃなくても、仕事していると女性が、わりと言われやすい陰口ではある。でまあ、やってない場合は、「やってもないのに、言われて不愉快」という当然のリアクションになるのだが、少しだけ立ち止まる気持ちがある。
確かにやってなくてもさー、「できるかもしれない」空気を売りにする、あるいは、相手に勝手にそう思われるってことあるよね。その意味では、仮想恋愛を売りにしているホステス業に近いと言える。だってさー、本人の女子はそう思わなくても、下心全開のおっさんはたくさんいて、その可能性のために、かなりの仕事が動いている・・と言っても過言ではないのだ。(ちょっとあるドラマのセリフの影響受けてます。現在、執筆中につき!)
以前、やはり作家の林真理子先生が、似たようなことを言ってたんだよなあ。女性で成功したひとが、「自分の力だけでここまで来ました」というたびに、確かにそうかもしれないけど、あなたが今座るその椅子をそっと後押ししてくれた男性がいたでしょう、必ずしも恋愛関係じゃなくても、そういう支援者がいるはず・・ってこっそり指摘してた。
そうなんだよなあ。これはなにも男女に限ったことではないけど、往々にして女性の場合は、この「そっと椅子を差し出してくれた男」ってのが存在し、この男の目的が、純粋ばかりとは限らないってことです。もちろん、その椅子に座る女性は、その男性の善意もしくは、仕事への評価だけ受け取るんだけどね。だから、その手の噂が出たときに、「私は、まったくクリーンです」って言い切るのはちょっとね・・と思うわけです。
早く大人になる女性なら、みんな、この手の下心の存在は充分知ってて、それをそこそこうまくあしらっているのではないかな。というより、この下心を成就させずに、仕事に転換させるテクニックに秀でた女性が、結構上までいく・・とも言える。だから、「なにも知らなかった」としらをきるのはいやだな。
と、そんなことを思った。まあ、なにかにつけ、女は大変だから、いいんだけどね、これくらい。いつでも、女のがかわいそうで、大変だから。これ、実感。