山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ハゲタカ、今頃見る。

少しずつ、仕事が終わっていく。
夜は、NHKドラマ「ハゲタカ」を一気見。面白かったなあ。何より役者さんがよかった。柴田恭兵さんが、ホントの銀行員に見えたし、大森南朋も悪人なんだか善人なんだか・・そのあわいをうまく演じていた。そして、松田龍平がいい。なんともいえず。さすが松田優作の息子というのは、もう失礼なんだろうか。役者の才能も遺伝するのだろうか。あとなあ、田中民さん、すばらしい。かっこいい。

経済にうとい私であるが、このドラマのおかげで、敵対的買収とかホワイトナイトとかいろいろ知れて楽しかった。ストーリーもよくできているし。ただし、ずっと少しだけ気になることがあった。銀行の貸し渋りで自殺した小さな工場の社長、借金が返せなくて、追いつめられてぼーっとして事故死する老舗旅館の社長。部下のクビをキレずに、責任感にかられて自殺する家電メーカーの部長など、少なくとも3名のひとが、お金のことが原因で死んでいく。2つが自殺でもうひとつも自殺に近い。亡くなった方を悪くいえないのはわかるけど、亡くなったからといって、一方的に犠牲者として描くのにはちょっとひっかかった。

バブル以後の銀行の貸し渋りなど、もちろん、経営者の責任ばかりではないことで、多大な借金を背負うわけだけど、それだけで、殉教者みたいに描くのはどうなのかなあ。真面目にやってたけど、時代に乗り損なった、または銀行のだまされた・・わけだけど、全員が死を選んだわけではない。生き抜いて、借金を返すひともいるわけで。

もちろん、テレビドラマの限界として、そういうひとの弱さにはいっさい触れることができないのはわかるけど、そこは問わない・・みたいなことにちょっとひっかかるのだった。なんだか。

最近、テレビの仕事がトラブル続きだったので、考え込むことが多い。割れ窓理論じゃないけど、割れた窓一枚を放置しておくと、いずれ、ビル中の窓が割れ始める・・・そんなことを考えた。どこかで悪循環を断ち切らないと、もっと悪化するということだ。あれ。なんのことかわかりにくいか。

まあ、そんなこんなでやっと一息。今週抜ければ、ダイブ楽になるのだ。