山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

すべての美少女ファンへ。

深夜に結局、DVDで「ハードキャンディ」を見る。

いやあ、傑作であった。まさかこのような作品とは思っても見なかった。世界にはまだ、撮られていない映画があるのだと思った。出会い系で知り合った少女と中年のカメラマン。少女がカメラマンの家に行くところから物語りが始まる。中年男はロリコンの殺人者なのか、ただのさえないスケベ男なのか。少女の、そして、男の運命は・・。という、サスペンスでもあるけれども、これって、ものすごい批評的作品だよなあ。

ここまで作り込まないと、今の世界が抱えてしまっている少女を巡る現実は描けないのではないかと思ってしまった。少女の側の感情に、一瞬のブレもないのがいい。ややもすると、少女の持つ甘さが描かれそうだし、中年男へのなんらかの感情を期待されてしまう。少女の側には、いっときも中年男への思いはない。中年男側のみっともなさときたら・・。しかし、ここまできっぱり描いた監督の力量と思い切りにはればれした。

「おまえはいったい何者だ?」と問われて、少女が答えるセリフが良かった。さらに最後の、「なんてね」というセリフも。説明過多ではないし、へたな謎解きもない。あっぱれ、あっぱれ。少女のセリフがひとつひとつエッジが効いてて、それに答える男の返事と来たら。きつい映画かもしれないけど、見終わったら大変、はればれした。ヤラレタ!と思った。自分も世間やお金や数字にブレてないで、思ったことをストレートに描きたいものだと、反省反省。まだ描くべきものってあるんだなあ。手法もね?