山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

プロってなに?


写真は、木製のスティックをかじるミニ。

なにが好きって犬がケモノっぽさを発するのを見るのがすき。やつらは、自分たちとはちがうのねえと思うのが好き。そんな一瞬。

今夜、「プロフェッショナル」というNHKの番組を見た。出演は、装丁家の鈴木成一さん。
いやはや、かっこよかったですね~。
「プロの条件は?」と問われて、「次の仕事を頼まれること」と明快に答えていらっしゃった。感銘を受け、反省もした。反省の中身はのちのち書くとして。

知らなかったんだけど、かの第三舞台の「朝日のような夕日を連れて」のポスターデザインって、鈴木さんだったんだ。当時からかっこいいなあと思ってた。最初の仕事がその戯曲の本だそうで、私、その本、持っているんですねー。うれしい。

実は自分の最初の小説も二冊目の小説も、鈴木成一先生の装丁であった。これが、とってもきれいなんですよ。見た目からたいへん気に入ってる。自慢かも。(HPに行けば表紙みられるから、良かったらどうぞ)。

で、番組。よくできていたなあ。普段の番組より、VTRが多かったのは、スタジオの話よりも実際に装丁を作っていく過程が面白かったからだろうし、インタビューもよかったからだろう。自分がテレビを作る側だったら、スタジオ削っても、VTR部分、伸ばしてくださいって頼むよ。だって、ほんと、VTRでいろんなことが語られ、語られるだけじゃなくて、それを証明する映像がとれていたから。こういうドキュメント見ると、演出家の手腕というより、やっぱり素材=つまり対象者が面白いと番組は面白くなるというシンプルな構造に気づく。と、私も一応テレビのプロなので、プロなりの意見。

で、ここからが、一視聴者であり、一物書きであり、一クリエーター(って恥ずかしいけど、なんかつくって売ってるのが商売のひとというくらいの意味)としての感想。かっこいいセリフがいろいろありましたね。

「装丁の仕事は自己実現とか自己表現じゃないから」とか、
「本を読んで内容にあった装丁にする。それが一番大切」とか
「売れた本の装丁をまねてもしかたない」

ホントにプロなんだなあーと思った。余計なことをぐちゃぐちゃ語らず、きた仕事をじゃんじゃんやる。プロとはそういうもんなんですね。
で、最初の話に戻るけど、結局「次を頼まれるかどうか」だということ。頼まれるってことは向いてるってことだ。なんかだ考え込む。自分の話でなんですけど、私もいろいろやってきて、ドラマ演出ってほんと、あんまり頼まれなかった。一方、NHK的なドキュメントの仕事はずっとずっと依頼をいただいた。ドラマは監督より脚本のが依頼が多かった。そう考えると、自分ってドラマの演出向いてないのかーって思うよね。ひとりでこつこつやるほうが向いてるのね。(ドキュメント番組は少人数だし、けっこうひとり作業が多い)。

そんなわけで、番組としてもたいへん面白く、自分を振り返る機会にもなり、充実した時間を過ごせました。
ふむ、プロにならなくっちゃ。