山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

犬におとる。



犬の好きなところはいろいろあるけれども、このような寝姿も好きである。

完璧というか、無駄がないというか。自分の腕を枕にして、身体を丸め、いつ敵に襲われてもいいように、内臓のつまった腹部を守るようにして丸くなる。尻尾がちょうどハナ先まで来て、かなり完全な(でもないけど)丸になる。自己完結できるところがすばらしい。

自家製の毛皮により服だっていらないし、(ま、人間以外は誰も服はいらないのだが)、季節の応じて衣替えするし、なんてよくできた身体なのだろう。そこいくと、ヒトってやつは、服が必要なだけじゃなく、あれが着たい、これじゃいやだと面倒この上ない。おまけにつらいことがあると泣くし、本や映画がないと生きていけないし、手間のかかる奴だ。あ、自分か。それに、ひとの寝姿ってあまりに無防備だよなあ。昔、敵が襲ってくるかもしれない時代ってどんなかたちで寝てたんだろう。やっぱり丸くなっていたのかなあ。

閑話休題。

今日は、一大決意のもと、歯医者に行った。現在、わたしは、どんよりした歯痛をもっていて、これが、どうしても歯医者行かないと耐えられないという種類のものじゃなく、どんよりとじわじわーっと痛いので、歯医者にはいかないし、かといって直らないし、集中力が落ちるので困っていた。

前に、山田太一さん作のドラマで、タイトルは忘れたけど、歯が痛かったばっかりに、すごく大切な300万円を忘れてしまうOLが出てくるドラマがった。普段なら絶対そんな大事なものを忘れたりしないんだけど、たまたま歯が痛かったために、忘れ物をする。それがきっかけでドラマが動いていくんだけど、わかる、そして、山田太一さんはうまい。

なにが言いたいかというと、歯痛ってそういう微妙な痛みのものであるってことでした。が、今日の夕方、歯医者に行った。初めてのところで、いろいろ見てもらった。すると、「歯医者に来るのは何年ぶりか?」と聞かれた。3~4年ぶりだったので、正直に答えた。すると、なにかあるたびに、「3年ぶりの治療ですもんね」と言われる。つまり、「3年も歯医者に行かなかったなんて信じられない」という態度をされる。

そうなのか。歯医者ってそんなにしょっちゅういかないとダメなの?

だって、別に痛いところなかったんだから、いいじゃないかー、という気持だ。そりゃ、美容院は月に1,2回はいくし、顔のマッサージエステにも月に1回は行く。コンタクトをしているので、目医者にも月に1度は見てもらう。そう考えると、同じ頭部に位置しながら、髪、目、肌全般は、月1で手入れしているのに、口(歯)だけは放置だった。あ、ハナも放置だけど。

3年も歯医者に行かなかったダメ人間として、これからはおとなしく治療してもらう。取りあえず、今日は痛み止めをもらっただけだけど、これで、ずいぶん、人間らしい気分が戻ってきて、帰りに、買い物に行ったら、また余計な服を買ってしまった。ブラウス2枚、Tシャツ1枚、マグカップ3つ、お皿1枚。バーゲン中とはいえ、いいのか、いらないもの買って。(食器は別)。

ということで、犬のように無心にはなれない。犬って「求めない」って感じでしょう。老子みたいでしょう。イエーツの詩に出てくるみたいだもんね。

犬のように自己完結したい。反省反省。

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