山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

せつない声とは。

今日は、「東京コピーライターズストリート」というライブに行ってきた。@青山マンダラ。

これはですね、FM東京のラジオ番組でやっている、名だたるコピーライターの方が書きおろした朗読劇…みたいなものでしょうか、そのライブ版。なんで行ったかっていうと、大川泰樹さんという名ナレーターが出演されているからであった。

大川さんと初めて仕事をしたのは、10年以上まえになる。NHKのBSスペシャルで、「ある女性誌が作ったカワイイ宇宙」という番組をつくった。ある女性誌とはアンアンのことで、雑誌の成長と、「カワイイ」って言葉の成長を追いかける画期的なドキュメンタリーでありました。で、この番組のナレーションをお願いしたのが、最初。

テレビかラジオのCMで初めてその声を聞いて、「すっごい」と思った。なんというか、声だけで独特の世界を作れる感じ。傾向としては、森本レオさん、中村育児さんの系列。…ってわかるひとにはわかると思いますが、やわらかくて甘い声。声のタッチとしては村上春樹を語らせたら似合う感じ。わかるかな~。永遠の悩める青年の声…心に傷を負っているけどそれを隠してというか、乗り越えたあとの声…とでもいおうか。ひとことでいえば、「せつない声」だ。

とにかく、そのとき、ひと耳ぼれして、連絡先を探して、番組のナレーションをお願いした。そして、収録当日。さらにびっくりすることが…。大川さんは、声もかっこいいが、見た目がまた、すごくかっこいいのであった。よれよれになってスタジオに入ると、(だいたい番組の仕上げのときはよれよれだ)、見たこともないようなかっこいいひとがぽつんと座っているではないか。え?誰なの、このひとは?っと思ったら、ナレーターの大川さんでした。年下のADの女子と陰できゃーきゃー騒いだごとを思い出す。

そんな見た目も声もかっこいい大川さんには、その後もいくつかの番組のナレーションをお願いした。一番最近は(といってもだいぶ時間たったけど)、NONFIX「韓国における日本文学のあいまいな軽さ」(CX/05)でした。なんたって自分の小説をテーマにした番組ですから、絶対!大川さんに頼もうと思っていたのだ。(この番組では、私自身もナレーションやっているので、個人的には夢の共演!)。

ということで、今日、行ってきたわけです。満席状態でした。そして、やっぱりかっこよかった~。
生ピアノが流れるなか、大川さんが朗読していくんですけど、声につやがあるというか、声に物語りがある。声に正義が籠もっているような、不思議な感じ。詩を朗読するポエトリーリーディングみたいだった。

他にも坂東工さんという方も出演されていて、この方の声も大川さんとはちがった方向だけと、じわっとさせる声でした。いせゆみこさんという方も良かったな~。

そして、こういうライブを見るとすぐ思うことは、「私もやってみたい!」。(自分が出て…ってことはなくて、)自分が書いた文章やセリフをあの声で読んでもらいたいと思うのでした。大川さんに読んでもらうと、3割増しなんです。つまり、文章がよりよく聞こえる。せまって聞こえる。声だけで、世界を作れるのですから、すごいことだ。歌とはまた違った才能なのだ。

大川さんは見た目にも雰囲気があるので、これから役者もやられるということで、ブレイクするんじゃないかと。ブレイクして偉くなる前に仕事したいな~と思うのでした。

彼の声を聞いて見たいという方は、リンク貼ってみたから、聞いて見て下さい。しびれるよ。

大川泰樹さんのブログ

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