山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

「トウキョウソナタ」!

今日は、映画「GOTH」(主演・本郷奏多)の試写会に行って、そのあと、整形外科に行って、その後、恵比寿で「トウキョウソナタ」(黒沢清監督)を見た。

いや~「トウキョウソナタ」良かったなあ。最近見た映画のなかでダントツ一番好き。和製「アメリカンビューティー」。セリフで説明するのではなくて、映像の積み重ねでちゃんと見せる。フィックスの絵が多くて(ようするに、カメラが動かず、一枚に絵のようなカットが続く)、演出が控えめで、余計なものがない。ないけど、丁寧で執拗。スタイルとしかいいようがない。監督の世界観が十全に伝わってくる。すき。しびれた。

黒沢清監督とは、実は10年以上前、関西方面の連ドラを一緒に作ったことがある。メインを黒沢さんが撮り、二番手か三番手だった。あまりお話する機会もなかったし、あの頃は、どこか「ホラー」の方という印象が強かった。だが、しかし、「トウキョウソナタ」力強かったなー。

ラスト近くで、演奏されるピアノが、これほどじんとくるとは。クライマックスなのに、いっさいの「クライマックス」感を出さず、痛いほどリアルな演出とカット割りだった。見習いたいなー。すぐ、わかりやすさや『受け」を意識するからね。テレビ屋根性極めり。

映画が終わって、携帯電話をオンにすると、嬉しい連絡があった。こういう映画つくらなきゃだめだ、小説でもちゃんとしなきゃだめだ、負けちゃだめだ…と思い詰めている時だけに、いい知らせがくるとぐっとくる。ぐっと来るのだ。

そんなわけで、東京に戻ってきたら、映画三昧でした。まだ、見たくても見れてないのがあるし。でも、好きな映画を見た後は、基本、生きてて良かったと思い、いろんなことが許せるように思えるから不思議。スキップして帰りました。(心のなかでね)。