山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

発掘作業と小説

年明けから書いていた小説が、ようやく書き終わりそうで、ほっとしております。

一時はできないんじゃないか…と心配してたけど、毎日、少しずつ書いていたら、書き終わった。冷静に考えると、当然なんだけど。どこかで読んだけど、

小説を書くのは、発掘に似ていると。

なんかこのあたりに鉱脈がありそうだなあ、とまず、あたりをつける。で、最初は、コツコツ掘るのみ。ホントにこんなことしていて、いいのだろうかと疑心にかられたり、不安になったりもする。ホントにここに埋まっているの?みたいな。

しかし、他に方法もないので、少しずつ掘る。すると、何日か後には、かつんとなにかにぶち当たる。おや?どうもここになんかあるらしい。そこで、また、その周囲を重点的に掘る。そこになにが埋まっているか、どんなもんが出てくるかは、実は最初のうちはわからない。もちろん、大ざっぱに恋愛ものでしょうとか、ざっくりしたテーマはたてているんだけど、掘ってみないとわからん。

そこで、また、掘り続け、掘り続け、ようやく全貌が見えてきたりする。ほーこんな大きさのこんなもんが埋まっていたのかーって感じ。そのあとは、そいつを地上に引っ張り出し、各部を整える。土塊をはがし、ゴミをどけ、磨ける部分は磨く。そうして、発掘が終わる。掘る前とは、ちがうものになっている場合もあるし、予想通りのときもある。けど、どちらにしても、発掘に似ております。

で、今、自分のいるところは、ようやく掘り出し、地上に上げ、最後の「磨き」に入っているところ。つじつまの合わないところはないか、もう少しひねりを効かせられるところはないかと細部の点検であります。ここまでくると、たいへん気が楽。とにかく、彫り上がっているんだからね。気楽でもあり、楽しみでもある。

おーこの気分は、テレビを作るときにも似ているなー。ラフ編集が終わったときに近い。よし、つながった。ので、もう一度頭から見て、ブラッシュアップしよう!って感じです。(まあ、テレビの場合は、最初から作るものがはっきりしているけどね…)。

そんなわけで、長かった発掘作業がようやく終盤を迎え、現在、細部の磨きに入っております。完成間近。うれしいっす。

来週からは、(って、明日からだけど)、心を入れ替えて、映画のひととして、別の発掘を始めます。映画は同じ発掘作業でも、スタッフがたくさんいるので、また、違った作業になります。巨大な遺跡を発掘する感じかな。自分ひとりではできないからねー、各分野のプロが集結して、一緒に掘るのだった。

新しい一週間よ、こんにちわ。