山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

映画「クヒオ大佐」

今日は、渋谷で、映画「クヒオ大佐」を見て来ました。

なんとも形容しがたい、抑えた笑いと高度な感動をはらむドラマでした。笑っていいんだか、怒るべきなんだか、自分に問われるところがあります。いわゆる詐欺師のお話ですから、犯罪といえば犯罪なんだけど、その手前のギリギリ感はよくわかりました。

だまされる女の気持ちとかね。

でもって、この映画は撮ったのは、吉田大八くんといって、自分の大学の後輩でした。正確にいうと、大学のときやっていた自主映画のクラブの後輩。現・CMディレクターで、映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で監督デビューしたひとです。

「クヒオ大佐」が公開された10月10日には、映画「カイジ」もまた、公開されました。「カイジ」の監督も実は、同じ自主映画サークルの仲間でした。佐藤東弥さん。彼とは同期で、学部の学科も一緒で、席も近かった。

なので、10月10日は、「ひぐらしの日!」なんて呼ぶものもおりました。(「ひぐらし」というのは、当時の自主映画サークルの名前です)。大学時代に映画を撮っていて、それから、20年以上がたって、最近、監督デビューする仲間が増えました。喜ばしいことです。

当時、早稲田には、いくつもの自主映画サークルがあって、一番有名なのは、シネ研でした。ここには、室井滋さん、石井めぐみさんなど、のちにプロの女優になるひとがいたし、山川直人さんは、自主映画界が生んだ天才監督として、名前をとどろかせていました。

私たちのクラブはそんなスタープレイヤーもとりたてて存在せず、早稲田の片隅で、粛々と…いや、楽しく、ごちゃごちゃと映画を撮っていたのでした。自分もここで初めて、監督なることをやりました。

あれから、20年…いや25年くらいたったんだなー。あんまり当時と気持ち変わってないなーと思いました。「カイジ」はまだ見ていないんですけど、(先週の興行成績トップらしいです。やったね、東弥くん!)、予告編を見ただけで、佐藤氏ならではの演出の匂いがしました。劇画っぽいというか、濃い感じ。せつない感じかな。

なんか……遠くまで来たナ。でも、あっという間でした。そして、まだ、まだ、これからでもあります。

昨日までクヨクヨモード全開で、その沼のなかで溺れていたんですけど、今日になって、急に、ふっきれました。クヨクヨするのにも飽きた。そろそろ、本気で働くかな…という気分です。そんな日に、ゆかりのある人の映画を見て、「カイジ」が興行成績ナンバーワンという喜ばしい知らせをきいて、そっか、自分もやらないといかんな…と思った次第です。

まだ、なにもかも終わったわけじゃないんだから…ね。