山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

映画「戦慄迷宮」

雨が降っておりましたが、朝から、ロケ→打ち合わせなどをこなし、働きました。…雨だからって休んでもいられないです…当たり前か。

で、夕方、新宿にて、映画「戦慄迷宮3D」を見て来ました。もちろん、目当ては、動く立体映像です……ちょっとうそ。主演の柳楽優弥くんを見に行ったのでした。

恐がりなため、普段は、ホラーやスリラーはほとんど見ません。というより、見ないようにしております。何日もうなされることになるのでね。なので、この作品も見るの怖いなー、夢に出てきたらどーしようと思っておりましたが、柳楽君が出ているんだもの、2,3日うなされる覚悟で見なくては…と決意しました。

前回、行こうとしたら、かなり混雑していたので、今日は、ちょうどいいと思った次第です。雨だし、平日だし、夕方だし…すいているんじゃないかと。しかし、思いの外、混雑しておりました。デートカップル風の男女が多かったですね。映画を見に来た…というより、ほんとにお化け屋敷を楽しみに来た…って感じで、始まる前からわくわくしているのが見ていてわかりました。

入り口で画面が立体的に見える、メガネが配られます。予告編は普通に見て、本編が始まったら、かけることになっています。実は3Dは、初体験でした。まず、かけただけで、ぐんにゃりと視界からいろんなものが立ち上がり、手を伸ばせば触れそうな感覚になります。

その映像に慣れるまでにしばらくかかりましたが、演じている俳優さんたちが、ものすごく近くにいるみたいに感じられて、ちょっとうれしかったです。(…なんのこっちゃ)。息づかいや心臓の音がリアルに感じられるんです。映像は3Dだけど、音は普通のはずなのに、音までビビッドに聞こえるのは不思議でした。たぶん、勝手にそのように増幅して聞こえるのかもしれない。音のイマジネーションで。

ところで、主演の柳楽君はすっかり大人の男みたいで、「おお、大人になったなー」と感慨深く、彼の登場を見守りました。最初のシーンで、原始の森のような場所をさまようカットがあって、そこに柳楽君の声がかかるところが、なんか、魅力的でした。深い森の映像が、3Dのおかげで、匂い立つようになり、新鮮な森の香りを嗅いだように錯覚します。

そして、ドラマが始まります。これはホラーだから、あまりストーリーに触れてしまうと、ネタばれになるのでやめておきますけど、「脅し」系の怖さというより、「心理」的なホラーでした。幻惑するような。10歳の少年と少女が、遊園地のお化け屋敷に迷いこみ、ひとりだけ出てこない…そして、その10年後、ひとりの少年がその町に戻ってきて、悲劇が始まる…これがだいたいのあらすじ。

3Dについては、怖そうな部分を増幅しているのでしょうけれども、そういう時は怖いので、目をつぶってしまい、あんまり効果わからずでした。逆にですね、雨とか、差し出す手とか、遠近感などが、魅力的。3Dを通して見ると、非常に不思議な体験ができます。雨はとても美しい。現実の雨よりもCGの雨のなかに、自分が入ったように錯覚できます。

柳楽くんは、自分の映画の役とは全然ちがって、小さい頃から女子にモテた、好青年を演じていました。

それから、ファンであるところの松尾スズキさんも登場して…。ただ、松尾さんは期待していたような、変態だったり、奇人だったりはせず、けっこう、まじめな刑事でした。(ちと、残念。)

で、ラストシーン。実はその意味を自分はわかりませんでした…(ホラー初心者なので)。で、劇場を出て、女子トイレに並んでいたら、うしろに並ぶ女子ふたりが、しきりにそのシーンの話をしています。聞き耳をたてると、ふたりが謎解きをしてくれました。「あーそうだったのか」と初めて、そのカットの意味に気づきました。一応、映像の世界のプロのくせに、なんと間抜けなんでしょう。カットの意味を理解できないとは…。

そっかーそういうことだったのかーと思わず、うしろの女子に話しかけたくなりましたが、「へんなひと!」と思われるのでやめました。

そんなわけで、案外、デートにお奨めの映画なのかもしれません。自分は、当分、お化け屋敷にも病院の廃墟にも当分近づきたくないですけれども…。

怖いので、あんまり思い出さないようにしております。