今日は朝からロケ。
二つの大学に行って、お二人の大学の先生にインタビューしました。その後、自分の映画の試写へ行く。終わり頃に会場にたどり着き、来てくれた方にご挨拶。出演している女優さん2名がやってきていて、さすが華やかな感じ。あと、友達の監督とか大先輩の脚本家さんとかもいらしてくれてうれしかった。
そのあと、日比谷で、「沈まぬ太陽」を見ました。8月末にケニアに行った時、この映画の撮影を手伝ったケニア在住のひとから話を聞いていたので、とても見たかった。そのケニア在住の方が、間近で渡辺謙さんの芝居を見て、身体がふるえた…と言っていたので。
いや~大作だった。そして、聞いていた通り、渡辺謙さんの渾身の演技にはふるえるところがありました。大企業で不遇を託つ正義感あふれる人物がまさにぴったりだった。演じる熱さと役どころの熱さが重なるように見えて、心を揺さぶる演技だった。
その他も、ものすごい役者さんたちばっかり出ているから、まさに競演なんだけど、香川照之さんのギリギリ感も良かったなー。香川さんは複雑なキャラクターのお芝居がほんといいなあ。あと、少し前にアマデウスに出てもらった蟹江一平くんが出ていて、なんか、うれしかった。のほほんとした気のいいお坊ちゃま役で。
そういう役者の博覧会みたいな部分もあったけど、しかし、何とも言えない、お話だった。これはとある航空会社がモデルとされているわけだけど、その内実のひどさにやはり凍り付く。政治家や官僚との癒着や、正義を唱えたものが、飛ばされるとか、理不尽なことばかり。そしてそれはかなり事実に近いんだろうなー。
自分など、実業界とはまったく違った世界にいるけど、なんともやるせない気持ちになる。そして、そういった会社全体の腐った状態が、大惨事を引き起こす。飛行機事故の8割が人災と言っていたけど、事故とは起こるべくして起こるのだなあと思う。
これは最近、よく思うこと。事故って偶然のようでいて、偶然じゃない場合が多い。事故がおきやすい環境、事故を起こしやすいひと、状態がまさに事故を起こすんだよなあ。そういうことも考えた。
あと、ケニアの風景が懐かしかったなー。ナイロビのスラムも出てきたし。サバンナでひとりきりで野生動物を見ていると、気持ちが解放されていく…というのは、ケニア在住の方も語っていたけど、少しだけわかるような気がした。
権力、お金、などにしがみつきドロドロした日本のビジネス界からやって来たら、たしかしに、自然の豊富なケニアは、天国みたいな場所かもしれない。けど。ほんとはそうじゃないと思う。旅人の感覚で訪れれば、自然にあふれ、野生動物に出会えるすばらしい場所だけど、同時にそこは、リアルな貧困、エイズ、政情不安があって、まさに生死をかけた闘いの場所なんだよなあ。
お客さんは、背広姿のサラリーマンが多かった。そして、終演後、拍手があった。いいなー、映画に拍手。いいなー。
わたしも映画で拍手、ほしいです。
そんな木曜日の夜。
このまま、年内仕事三昧で走り続けます。