山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

人生最悪でも傑作は書ける。

例えば、チャイコフスキー作曲、「交響曲第四番」は、ロシア初の交響曲の傑作と言われている。

この曲を作曲したとき、チャイコフスキーは、人生のどん底にいた。結婚に失敗し、お金もなく、自殺未遂までしている。…けど、そんなさなかに、歴史に残る傑作を作り上げた。

…と、勉強したばかりのクラッシック音楽の知識をひけらかしているわけだが、言いたいのは、要するに、自分への戒めである。

忙しいとか、仕事が重なっているとか、いろんなトラブルに見舞われているとか、犬がもうすぐ手術とか、海外へも行かなくっちゃ…とか、どんより歯が痛いとか、掃除洗濯まったく行き届かずとか、会社の決算もあるし…とか、そういう山積みの未解決事件を前にして、「あーもうー小説なんて書いてる暇ない!創造的な人生を送るには、忙し過ぎる!」と文句を言っている場合ではないのだ。

そういうのって、ぜ~んぶ、「言い訳」だよね。破綻した結婚から逃げながらだって、チャイコフスキーは、傑作を書いたんだから。わたしごときの"たいへんさ"なんてレベル低いよー。

これだから、芸術家の人生に触れるのは面白い。本当に平凡で波風たつことなく、静かに日々を送りながら、作品を残したひとはあまりいない。…というか、見たことがない。フタを明けてみると、みなさん、波に溺れ、アップアップしながら、なんとか生き延びて、作品を作り上げているのだ。前述のチャイコフスキースキーだって、最後は自殺…と言われているわけだし。

そんなわけで、今日は、昼間から律儀に仕事にとりかかっておりました。途中、いろいろ、雑事が降りかかってくるので、それを払い、すり抜けながらやっておりまして、でも、夜になった頃、疲れたなーって思わず、弱音を吐きたくなった次第です。

で、チャイコフスキースキー。

「まだまだだな、ターバーリッシ(同志も)…。それくらいで音を上げるなんて、ロシア人の風上にも置けないよ」って、イリーチ(チャイコフスキースキーの名前)に言われてしまった。ま、自分、ロシア人ではないけれども…。

なので、ロシア人じゃないけど、ぐちぐち言わないで、朝までがんばろーと思います。前向きに考えようと思います。楽しいこと、うれしい知らせだってあるんです。悪い部分ばかりに目がいくけど、よいとこも見て、クサるのはやめよう。

「アリガタ病」にかかって、なんでも、アリガタヤと思うようにしよう。仕事あって、アリガタヤ、海外行けて、アリガタヤ、ミニがかわいくてアリガタヤ、今日もご飯が食べられてアリガタヤ、生きてるだけで、もはや、アリガタヤなんだから。

今日、面白かったこと。
シャツをズボンに入れて帰国しただけで、ニュースになるなんて、面白いなー。

とか、それくらい。あ、そうだ。寺島しのぶさんのベルリン映画祭での主演女優賞受賞を心から喜びたい。大好きな女優さんで、自分の小説のデビュー作には、帯を書いていただいております。
どんどん大きく羽ばたく方だなあ。

少し元気出てきた。朝まで、もうひと仕事じゃ。