山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

映画「マイレージ・マイライフ」

久しぶりに映画の感想。

「マイレージ・マイライフ」はパリからの帰りに飛行機の中で、吹き替えで見ました。けっこう、好きだった映画「ジュノ」の監督の作品であることは、日本に帰ってから知った。

日本でも公開が始まったようだし、ヤフーのレビューを見ると、高得点なんだけど、自分としては、「?」な気分。主演のジョージ・クルーニーははまり役だし、いろいろそつなく出来ているんだけど、なんというか、軽すぎというか、人生ナメ過ぎのような…。

ざっくり内容を説明すると、ジョージ・クルーニー演じる男性は(名前、忘れた)、リストラの宣告をする仕事をしている。つまり、「あなたは会社をクビになります」というのが仕事で、アメリカ中のいろんな会社から、頼まれて、リストラ宣告しに出かけて行く。なので、年間340日(だったか…)くらいを出張している…というもの。

そのため、飛行機のマイレージはどんどんたまるし、短時間でできるパッキングの方法も知ってるし、ホテルやレンタカー屋さんにも詳しい…というもの。で、旅の途中で、彼と同じように、アメリカ中を飛び回っている女性と知りあって、情事をしたりしている。しかし、彼にも転機が来る。リストラの宣告をスカイプみたいなテレビ電話でやったら…?という提案する、新入社員がやってくるのだ。この女子社員を研修のために、出張に連れて行くところから物語りが展開していく。

なんだろう…すべてがカテゴライズされすぎ…というか。ある種の典型を極端に描いたキャラばかりが出てくる。ジョージ・クルーニーにしても、情事の相手にしても、女子社員にしても…あり得ないくらい、キャラクターが過剰。それにそって物語が進むから、どうも心底感情移入できなかった。

誤解を招くことを恐れずにいえば、非常に漫画的。漫画なら許せるキャラだし、ストーリー。だけど、実写でやるには、あまりにリアリティがないように思えた。

いや、べたなお涙ものとかより、ずっと好きな空気の、好きな結末の話なんだけど……結末には、感動のかけらもなく、涙や愛の成就を期待するひとを気持ちいいくらいに裏切ってくれる…それはそれで、好きなんだけどさ、なんかさー、でもさー、もうひとつあってもいいでしょ。ホントにそんなにみんな、簡単なの?そんなにうすく生きていっていいの?と思ってしまうのだった。

この監督「ジュノ」もそうだったけど、執着のないひとなのかもしれない。人間や子供をクールに物として扱うことのできるひと。たぶん、この監督にとって、世界はそのように見えているのかもしれない。それはそれで。世界観がはっきりしていていいのだけれども。

というわけで、最近、全然、映画見てないので、うー映画見に行きたいです。でも、当分、無理だろうな…とほほ。