山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

コペンハーゲンでひとりぼっち?

ふってわいた休日…というか、アイスランドの噴火で、飛行機が飛ばなくて、デンマークの映画祭行きが中止になり、今週は暇になってしまった。

運命のいたずらにより、コペンハーゲンに行けなかったわけですが、もう少し早く行っていたら、今度は帰れなくなっていたでしょう。それよりはよかったんじゃないか…というのが常識的な考えであるし、実際そうだと思います。

でも。

異国の地でただひとり、足止めを食らうっていうのも、なかなか、楽しそうではあります。ちょっと想像してみましょう。もし、コペンハーゲンから帰れなくなっていたら…。

映画祭が招待してくれたのは、ホテル3日分でしたので、それ以上滞在が延びたら、自腹になるでしょうし、映画祭がとってくれたホテルは高級なので、自腹となるとお金がかかることになるでしょう。なので、まずは、別のホテルを探すことになったかな。

デンマークには、まったく、全然、知り合いがいません。これが、ギリギリ、パリとかロンドンとかローマだったら、なんとか知り合いはいます。これまでテレビの仕事でお世話になったひとびとや少数の友人がいる。けど、デンマークは、ノーマーク…つまらないしゃれを失礼。

たぶん、映画祭の関係者を頼りにしつつ、ホテルを移動したり、暇になった分、なにしよう…と話したりするでしょう。同じく映画祭に来て、足止めを食らう、他の国の監督たちもいるから、そういうひとたちと集まる機会も増えたかもしれない。それで、親密になる機会もあったかもしれない。

普通のスケジュールだったら、見ない映画も見たり、話したりしただろうな。それで、とりあえず、パリまで行こうぜ…みたいなことになって、数名で一緒に電車に乗って出かけるかもしれない。あるいは、まあ、飛行機飛ぶまで、遊んでようよ、ってことになり、毎日、ふらふら、観光したりしていたかもしれない。

なんか、それって、すごく楽しそーと思いませんか。お金は心配だけど、まあ、なんとかなるもんでしょ。そして、もっと若かったら、もっとわくわくだったかも。

もちろん、こうゆう感じの旅行は、バックパッカーなら、いつものことでしょうけど、でも、「好き」でふらふらと歩き回っている…というのと、「足止め」されて、しかたなく、ふらふらしている…というのは本質的にちがう。執行猶予期間というか、モラトリアムってやつではないですか。

この「ふらふらしている時間」は、自分が招いたものではなく、余儀なくされたものなので、自分に責任なし!ってところが、また、いいところですね。遊んでいること、なにもしていないことを、責められる必要がない。だって、噴火してるんだもん、あたしのせいじゃないもんね…ってなわけです。

大人になると、なかなか、「自分のせいじゃないもんね」といばれることは少ないです。たいていのことは、自分のせいです。自己責任です。もちろん、映画祭に来た…というのは、自己責任ですが、噴火のことまでは、責任は追及されますまい。

なので、「わたしのせいではなくて、自由」という、もしかしたら、もっとも甘い自由を満喫できたかも。学校が火事になって、テストが延期になるようなもんです。誰もが1度は夢見たような。

あーそんなことを考えていたら、もっと早く行けばよかった…という気持ちになってきた。あ!確か友人がひとり、パリに行ってたなー、彼女は足止め組だな。まあ、うらやまC-。「C-」がでちゃいますよ。

そんなわけで、ふってわいた休日を、日本で存分に無駄にしている、私でした。

あ、最後にお知らせ。

明日、4月20日(火) 夜10時より、

「チームバチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」(フジテレビ系)

これの脚本、書きました。普段はおとなしいお父さんが、突然、人格変貌して、暴力オヤジになる、ヒミツとは?

ひさびさの連ドラ、でも、書くのは楽しかったー。

ぜひぜひ、見てくださいませ。