山田あかねの一喜一憂日記

テレビディレクターをやりながら、小説書いてます。映画も撮りました。脚本なども書いてます。 本、買って下さいね。

ハングリー精神?

パリにいたときに、いろんな映画関係者、映像制作者と話しました。そこで、わかることは、フランスでは、とてもゆっくり、作品を作ることができるってことでした。

知人のひとりは、フランスはじめ、ドイツ、イギリス、ベルギーなど、西ヨーロッパ諸国全部に流れる、テレビドキュメンタリーを作っています。1時間前後の作品で、これを、なんと、年に1本作るだけで、生活できる…というのです。

最初に企画を立ち上げたら、それをフランスのテレビ局に持っていき、ゴーがでたら、3000万円ほどの予算をもらいます。そのあとは、企業や他の国の局にもプレゼンし、だいたい6千万円くらいのお金を集めるそうです。で、これが総制作費になる。でもって、一年かけて、作って、プレミア上映を映画館でやって、その後、数回放送になるそうです。

なんと、優雅、なんと、リッチ。

こんな制作体勢でものを作っているひと、日本では皆無だと思いませんか?

それほど、システムがゆるやからしいです。この他にも、国レベルで監督を支援するシステムがあるそうで、日本のヒーヒー言っている映画監督たちからは、想像できない別世界です。

しかし、一方で、その知人が言うには、「こういうシステムがあるから、作り手側に飢餓感がなく、焦りもないので、あまりいい作品が生まれないんだよ」とのこと。

やはり、危機感がないと、よい作品は生まれないんだろうか。

それでも、年に一本で一年暮らせるなんて…、自分は、去年で言えば、映画1本、本1冊、テレビ番組1時間もの3本くらい、30分もの3本、ドラマ脚本2本くらい書いたと思う。これだけで、フランスなら10年暮らせるってことでしょう。

自分の映画のPをつとめる、テレビドラマのpは、年間40本以上、ドラマを作っている。彼なんて、すでに、数百年暮らせるほど作ったことになるよ。

一方で、「SRサイタマノラッパー」という秀作を作った監督は、お金がなくなって東京を離れることになった、とブログに書いてあった。東京にいることがベストとは限らないにしろ、才能があっても、お金にならない、日本の現状は、やっぱり、よくないと思うよね。

映画をめぐる環境はますます厳しくなっているようだし。

どうすればいいんだろう。自分で、一朝一夕に解決できる問題じゃないけど。とりあえず、自分は、ご飯が食べて行けるように、テレビの仕事で頑張っているけれども、それがないひとたちが、どれほど苦労しているかは、よくわかっている。

そんなことが続いたら、日本の映画は先細りになるばかりなんだけど。でも、また、事業仕分けとかされちゃうのかなあ。

チャイコフスキーの時代のように、パトロンが芸術家を育てる環境は、もう、来ないのかな。