昨晩は、寝るまえにDVDで「シザーハンド」を見ました。
そうです、あの有名な、ジョニー・デップ×ティム・バートン監督のヒット作です。
実は正直に申し上げると、今まで見たことなかったんです、この作品。ひとびとの話題に上ることの多い作品なのに、見るチャンスを逃していた。それと、自分、ファンタジーってやや苦手なところがあり、積極的に見ることが少なくて。
でも、見て良かったです。シンプルに面白かったし、よく出来ていたし、ジョニー・デップってホントにうまい役者さんなんだってわかったし。あと、ティム・バートンという監督は、結構、メッセージ性の強いひとなんじゃないかって漠然と思いました。
「アリス・イン・ワンダーランド」にしろ、結構、まっすぐなメッセージがあるよなあ、と。「シザーハンド」は、障害者に関する物語だし、「アリス」はフェミニズムに関するテーマを強く感じたし。
それから「シザーハンド」の特典映像に原作者(脚本家)のインタビューがあって、それが参考になった。ファンタジー作品って、そんなことあるはずないって、観客はわかっているのに、共感できる場所を作ることが大切だってこと。
手がハサミのロボット(?)なんて、いるはずないってわかっているけど、そこから始まる物語の随所で共感できるってこと。ファンタジーって、やっぱりなにかを象徴しているから?
というか、ファンタジーとはそもそも、象徴であるから、メッセージ性がはっきりするのかな。考えてみると、童話ってメッセージ性がはっきりしているよね。
「シンデレラ」だったら、いじめられても、けなげなシンデレラはいずれ幸せになれるし、約束を破って、玉手箱を開けてしまった浦島太郎はおじいさんになっちゃうし……そこには、わかりやすい道徳があるよね。
先日、「神話」について、取材をしましたけど、世紀の変わり目、時代の変わり目には、神話をモチーフにした物語が多くつくられるそうです。つまり、時代の変わり眼には、道徳観の変換があるから、ひとびとは不安になりやすく、その気持ちをどこかへ導いてくれる、骨太の物語、つまり、長い間受け継がれてきた物語=神話や民間伝承に材を取った物語が受けやすいそうです。
そう考えてみると、今って、「神話」的な物語がたくさんあるよね。アニメってまさにそうじゃないかしら。リアルな内容のアニメより、神話的なお話が大ヒットするような……あ、そればかりでもないのかな?
それから、ちなみに、「神話」とは神との対峙を描いたものを呼ぶそうです。プラトンによれば。ギリシア神話みたいに、神さまが主人公のものを「神話」と呼ぶのかと思っていたけど、神と対峙することがテーマであれば、現代劇であっても、「神話」と呼べるようです。
しかし、現代にあって、真に神と対峙し、神との対話を描くのはなかなか難しいと思う。神は死んだ…と言われちゃっているからね。
神との対話ってそもそもなんだろう…という気持ちもありますが。
そんなわけで、徐々に仕事が収束に向かっているので、また、映画を見たり、本を読んだりできるので、基本ハッピーです。
今日は、仕事→ちょっと打ち合わせ→映画「告白」を見ました。この感想はまた、明日にでも。
それにしても、密度の濃い映画でした。岡田将生って俳優さんの芝居にしびれました。