山田あかねの一喜一憂日記

テレビディレクターをやりながら、小説書いてます。映画も撮りました。脚本なども書いてます。 本、買って下さいね。

シングルマザーと介護保険。

今日は、家族のようなひとが病に倒れて、いろいろ大変だった。でも、夜になったら治ってほっとしました。

ところで、シングルマザーのことを考えていて、介護のことを思い出した。

というより、シングルマザーの問題は介護問題と似ている…とフト、思った次第です。

連日報道された、大阪の幼児遺棄事件。いろんな意見があると思うけれども、自分は、シングルマザーへの公的支援が必要!と強く思うほうです。

公的な支援がもっとあったら、こんな不幸な事件は防げたのではないか…と思うからです。

で、介護とシングルマザー。

(注:シングルマザー問題は、同時にシングルファーザー問題も含むけれど、親権を持つのは母親の場合が多いし、収入は女性のほうが少ないので、主に「マザー」の問題だと思いますが、ファーザーも含むとお考え下さい。)

結婚するひとが減ったとはいえ、離婚するひとは増えている…ということは、自動的に、「シングルマザー(ファーザーも含めて)」が増えることを意味する。

離婚するなら、結婚するな!とか、子供が生まれたら離婚するな!という考え方もあるでしょうけれども、そんなもの、してみないとわからないし、子供のために嫌々結婚を続けることが幸せとは決して思えないし、誰にもそんなこと、決められないし、止められないだろう。

なので、これからも離婚は増えるだろうし、だとしたら、離婚を「いい悪い」の問題で議論しているより、「別れたあとも、幸せに生きられるにはどうしたらいいか」と考えた方が、前向きだと思う。

で、シングルマザーになった場合、女性がひとりで子供を育てるのは経済的にかなり厳しい。親に手伝ってもらうとか、子供の父からしっかり養育費をもらうとか以外で、なかなか生き延びるのは難しい。その両方を得られない場合もあるだろうし(今回の事件のように)、だからこそ、公的支援があったらいいと思うのだ。

個人でできないことを助けるのが、国のシステムのはず。

老人介護のことを思い出してみる。

かつて、お年寄りの世話というのは、その子供が面倒を見るものと決まっていた。金銭面は息子が、具体的な世話は娘か嫁が担うものであった。

しかし、時代を経て、介護を担う子供の数が減り、同時に、日本人は長生きになった。すると、老人の面倒を個人で(娘か嫁…家族のなかの女たち)まかなうのは厳しくなってきた。親の面倒を見るだけで、自分の時間やお金が失われてしまったり、個人の手には負えないような、認知症などの病気も出てきた。

そういう空気のなかで、2000年に、介護保険法というのが生まれて、お年寄りの世話をプロに任せることができるようになった。もちろん、介護してもらうには、それなりの「認定」がいるけれども、娘や嫁だけが、その責任をかぶらなくてもすむようになったのだ。

「老いた親の世話を他人に任せるなんて、あり得ない」とか、「親の世話をするのは、子供つとめだ」「それをさぼりたいとか、遊びにいく時間がなくなる、なんてもってのほかだ」という意見も、かつてはあったかもしれない。

いや、今もあるかもしれないけど、今なら、介護に疲れたら、悲鳴を上げることもできるし、駆け込む組織も助けてくれる施設もたくさんある。

ひとりで老いた親を抱えて、どうしようもなくなる…ってことは減っていると思う。(もちろん、今でも介護に疲れて無理心中する例もなくはないけど)。

シングルマザーの問題も同じだと思う。親とか元夫とか友人以外に助けてくれる機関、システムがあればいいんだ。それで、全部の問題が解決するとは思わないけど、「少しはよくなる」と思う。

そして、そういうシステムがあること、困ったらひとりで抱え込まずに、誰かに相談できること、弱音を吐けること…これらが、広く知られるようになれば、また、「子供は母親だけが育てるわけじゃない」という考え方が広まれば、精神的にも楽になるし、実際、子供を預けて、仕事したり、遊んだりできるようになるだろう。

そんなシステムが生まれたら、気軽に離婚するひとが増えて、シングルマザーが増えるじゃないか…いいのか、それで?…という意見もあると思う。

わたしは、それでもいいじゃないか…と思う。気軽に離婚するのがいいかどうかは別として、子供のために離婚しない…という選択もあっていいだろうし、いろんなかたちを選べるほうがいいと思うのだ。

両親そろっての子育て…というモデルは別に絶対じゃないし、いろんな家庭でいろんな形の子育てがあっていい。

老いた親の世話をするのは、子供の義務…という考え方がすでに、絶対ではなくなったように、子供の世話をするのは、絶対母親じゃなきゃだめ…という考え方が、ゆるむ未来が来てほしい。

ちなみに、自分の小説デビュー作「ベイビーシャワー」は、39歳でゲイの男性の子供を産み、女友達と育てる女性のお話です。いろんな形の家族があったらいいな…という思いを込めて、自分は子供を持たない人生を選択したけど、自分なりの「子供問題」に取り組んだ足跡みたいな小説でした。