山田あかねの一喜一憂日記

テレビディレクターをやりながら、小説書いてます。映画も撮りました。脚本なども書いてます。 本、買って下さいね。

本の感想などもたまには。

仕事も一段落し、年度末の決算もだいたいできたので、2冊ほど本を読んだ。

(これでも、自分は小さな会社をやっているので、年度末決算という、経理事務があるのだ。とってもたいへんなのであった)。

普段はあまり読んだ本のことをここに書かない。映画や舞台やテレビについてだと気軽に書けるんだけど、小説となると、身構えてしまう。

どんな本を読んでいるか知られるのも恥ずかしいし、日本の作家について、自分が語るのは、なんだか、おこがましいしので、するするとは書けないのであった。なぜなら自分も小説を書くので…。

友達の噂話は気軽にできても、片思いしているひとのことは、照れて話せない…みたいなことかしら。

…という前置きはともかく、昨日、今日で読んだのは、そういう方向の本じゃなかったので、気軽に感想を書こう。

一冊は、堀江貴文氏の「拝金」という小説。ツイッターで、「日本のマスコミ暗部を描いているから、映画化は不可能…」みたいなことが書いてあって、マスコミの暗部って?映画化不可能ってそんなにシュールなの?という興味が湧いてしまい、ついに買ってしまった。

(ツイッターの影響を、ホント、受け取ります…)

で、読後感でいえば、小説というより、小説の形を借りた、告白ものに近かった。堀江さんが起業し、会社がどんどん大きくなり、ヒルズ族と呼ばれ、プロ野球球団を買おうとしたり、テレビ局を買おうとしたりした経緯がフィクションの形を借りて、描かれていた。

どこまでが本当のことで、どこまでがフィクションなのかわからないけど、そして、そういう興味はあまりないんだけど、一番生き生きと描かれていたのは、起業にいたる部分の、携帯電話用のゲームを思いつき、それをプログラミングして製品化していく過程について書かれた部分だった。

文章に血が通っているというか、起業へ向けてのストレートな情熱が素直に書かれていた。意識しているかどうかわからないけど、文章って、書いているひとの本音がしみ出てしまうというか、本当に心血を注いだ出来事を書くときは、知らずと文章が正直になるのだ。

いや、もしかしてプロだったら、そういう差を感じさせないのかもしれない。実際にあった出来事と架空の出来事を上手に織り交ぜて、どこまでが真実でどこからが虚なのかをわからせないのかもしれない。特にプロのフィクションライターはそういうものだろう。あるいは、虚だからこそ、より生き生きと描ける場合もあるかもしれない。

でも、この本はそういう完成度の高いフィクションを目指したのではないだろう。フィクションの形を借りた一連の事件についての告白というか暴露というか。なので、より作者の思い入れが文章にあらわになってしまうように思った。

文章って正直なんだと。具体的な内容ではなく、文章そのものが、なにかを伝えてしまうんだ…ってことを今さら学んだ気がした。自戒もこめて。

そして、もうひとつ思ったことは、時代の移り変わりの速さである。この小説の主人公は、テレビ局を買い取ろうとしたことがきっかけで、失墜しはじめる。インサイダー取引などの容疑で逮捕され、あげく全財産を失うことになる。だけど、今だったら、どうだろうか。

そんな危険な賭に出てまで、テレビ局を手に入れたいだろうか。もちろん、今だって、テレビの影響は甚大だし、大企業だし、手に入れることができたら、莫大な資産が入るんだろうけど、でも、元々お金はたくさん持っていたひとなのである。

今だったら、スタジオを作り、スタッフを募り、インターネットテレビ局を作ればいい。それができる環境は整っている。いろんなひと(政界?経済界?)を敵にまわして、局を手に入れるより、自分で作ればいいのだ。かつては、電波はテレビ局した持っていなかったから、どうしようもなかったけど、今ならネットがあるじゃないか。

せっかく、ITの会社でスタートしたのだから、既存のメディアであるテレビ局などほしがらずに、インターネットテレビ局を作ればよかったのになーと思いました。小説の内容とは関係ないかもしれないけどね。

そして、もう一冊。これは題名を書きませんが、小説の参考資料で読みました。芸能界を舞台にした小説でした。
う~ん、なんだか不思議な小説だったなー。いや、いわゆるエンタメ小説ってこういうものなんだろうか。

日頃、全然、読まないタイプの本だったので、ある意味新鮮だったけど。

そして、「書く」っていったい、どういう行為なんだろう…?という基本的な疑問にぶちあたりました。

自分に向けてね。

今日ははからずも芥川賞と直木賞の発表の日で、ニコニコ動画で中継をしていたので、思わず見てしまった。受賞者の記者会見が面白かったです。

それぞれが、いろんな理由で書いている。私小説しか読まず、自分を題材にしかしないという芥川賞の西村賢太さん。自分が読みたい本を書くと行った道尾秀介さん…。書く動機はひとそれぞれなんだなーと。当たり前か…。

そんなわけで、とりとめないですが、今夜はこんなところでした。