山田あかねの一喜一憂日記

テレビディレクターをやりながら、小説書いてます。映画も撮りました。脚本なども書いてます。 本、買って下さいね。

結婚の一番いいところは…

「結婚」テーマにしていると、相変わらず、人気みたい。

「ノルウエイの森」について書いた時より、アクセス数が多い。

おお、そんなにも、結婚について語りたいものなのか。

ちょっと反省だな。以前、「MISS」(世界文化社)という雑誌で、「恋愛と結婚の間」という短編小説を連載してました。しかし、その渦中では、どーも、そんなに「結婚」が一大事と思えなくて、好き勝手に恋愛の話ばかり書いていた。うーもうちょっと、「結婚」に特化したら、本になったのかしらん。

…という、後ろ向きな発言はともかく、「結婚」という制度はすでにその使命を終わりにした…なんて、吐いてしまったけど、もちろん、そんなに簡単なもんじゃないよね。

たとえば、彼氏ができる。ハッピーにつきあう。が、彼氏、浮気、非常に傷つく。捨てられる…という事態に落ちたとしよう。

この場合、彼氏が暴力を振るったとか、借金を踏み倒したとか、具体的な「悪さ」があれば、別ですが、「ただ、ふられた」だけなら、誰も助けてくれない。友達は朝まで話しを聞いてくれるかもしれないけど、それ止まりでしょう。

が。

これが一旦、「結婚」となるとちがう。結婚していたふたりが、別れるとなると、慰謝料もいただけるし、財産も半分もらえるし、浮気された場合は、浮気相手を訴えることだってできる。つまり、法律が味方になって、“お金”をとってくれます。

これが、「結婚」と同棲の一番大きな違いですね。

(結婚すると家同士のつきあいになる…なんてことは小さいことです。同棲してても、親戚とつきあいたければ、つきあえるので。あんまし関係ない。)

同棲していても、結婚と同じ状態であったということが証明できれば、結婚していたのと同じくらいのお金を要求することも(理論上は)できるみたいだけど、成功率はぐっと下がるでしょう。

そういう意味では、結婚の意義はあるとは思う。まだまだ、女性のほうが、収入も少ないし、離婚してリスクを背負う確率は女性のが高いだろう。

けどこれって、「離婚した場合」のことなのよね。つまり、結婚って、離婚した場合に「お得」な制度だってこと。別れないで、仲良くやっていくなら、結婚も同棲もあんまり変わらないのよね。

へんでしょ、これ。

つまり、結婚のいいところは、離婚するとき、一番発揮されるのよ。別れる運命にあるなら、結婚したほうが得ってことです。

つまり、長く一緒にいる自信のない相手とは積極的に結婚しましょう。でも、このひととは安心…と思えるなら、結婚しなくても大丈夫です…。

とはいえ、まだまだ、女性のが弱い世界ですから(賃金も低いし、社会的地位も低いです)、そういう意味では、結婚とは、女性を守る制度とも言える。

2000年にスウェーデンに結婚について、取材しに行きました。(年中、結婚や恋愛やSEXについて、海外に取材に行ってます。面白いから)。

スウェーデンでは、「結婚」するひとは全体の半分くらいで、(2000年当時)、半分くらいは同棲のままでした。結婚してても、同棲でも、法律的には同じ扱いなので、あえて「結婚」するひとは、宗教的な理由が多いそうでした。敬虔なクリスチャンとかね。今はもっと結婚するひとが減っているんじゃないかな。

スウェーデンだと、18歳になるとたいていは家を出て、友達数名と家をシェアして暮らす。そのあと、好きなひとができれば、同棲する…というのが、一般的なパターンと聞いた。子どもができても、別れて、別の相手と暮らすひとも多いので、血のつながっていない兄弟姉妹が同居するってことも「普通」でした。ステップファミリーといいますね。

このように、ゆるい結婚観、恋愛観だとどんな感じなんだろう…。たとえ、「結婚」というしばりが弱いとしても、恋愛の終わり、関係の終わりが、「キツイ」ことには変わりがないんじゃないだろうか。

どんなに離婚するカップルが多くても、自分のときは、自分なりに傷つくから。

この質問をスウェーデン在住の日本女性に尋ねた。彼女も離婚経験者。

すると、彼女、答えて曰く、「たぶん、ぎしぎしの結婚システムのなかで暮らすより、同じ別れでも、つらさは軽いような気がする」と…。

なんで、そうなるかと言えば、結婚=絶対…、一生に1度の人。運命のひと、って信じていたものが失われるのって、すごく辛いよね。

けど、幼い頃から、くっついたり別れたりを見ていると、

「ひとってそういうもの」

「運命のひとは、数人いるようだ」

「ひとりとダメでも、次もあるし」

というふうに、ゆるゆる考えることができるようになると言う。「絶対、このひとと一緒になる」「このひとじゃないと死んじゃう」と思い詰めるのも美しいけど、壊れたときの痛手は深い。

椎名林檎先生も「ギブス」(この曲、大好き)のなかで、歌っているように、絶対なんて、そう簡単に信じないほうがよい。

…と思うのです。いえ、もちろん、自分も若き頃、「絶対」と信じて、数々の痛い思いをしてきたので。問題は、相手がいい男かどうかではなく、勝手に「絶対」と思ったりする自分なんだってことなんですよねー。

最近の20歳くらいのひとびとは、そんなに恋愛に関心がないという。これ、もっともだと思うんです。小学生くらいから、恋愛めいたことをやってきた世代ですし、親世代の離婚や不倫をたくさん見て来ているから、「恋愛至上主義」なんて、信じられなくなっているんだよね。これ、正しい。

ちゃんと、時代に適応して生きているのだと思います。

でもさ。

そんな時代でも、愚かにも熱心にひとりのひとを思い続けて、破滅して、傷ついて、狂うひとは必ずいて、そういう間抜けな人生を送ってしまうひとが、実は、自分は好きだったりします。

そっからでしょ、本番は…と思ってます。では、

結婚のいいところは、離婚のときに発揮される…というのが今日のまとめでございます。