山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

70代まで撮り続ける覚悟。

今日は、大先輩の監督、渋谷昶子さんのお宅で、女性監督が集まっての新年会でした。

メンバーは関口祐加さん、三浦淳子さんと私の計4名。

渋谷さんは、一昨日に感想を書いた、日本の女子バレーのチームを描いた「挑戦」(64年カンヌグランプリ)の監督で、以来、50年に渡って、ドキュメンタリー映画やテレビを作りつづけていらっしゃいます。

一昨年には、「ようこそ、先輩」(NHK)なども作られている。そして、今も次なるテーマのために、ロケハンに行ったり、資料を読んだりしているそうです。御年78歳です。

おお。

関口祐加さんは、大学卒業後、オーストラリアに渡り、ドキュメンタリー映画を撮られて、海外の映画祭で数々の賞をとっている、つわものです。ご自身が出演された「THE ダイエット」はとっても面白かった。現在は、認知症を患っているお母様を主人公に撮影中。

三浦淳子さんもまた、ドキュメンタリーの監督。10数年前に広告代理店をやめてから、コツコツと自分でカメラを回しながら、作品を作ってきた。

近々は、2月5日、6日に、一人暮らしの老人をテーマにした「枇杷の実待ち」と「孤独の輪郭」を大倉山ドキュメンタリー映画祭で発表する予定。「無縁社会」に対するアンチテーゼになるんじゃないかと、ちょっとわくわくしています。(すでに予約だけで、客席が満席になるという快挙のようです)

関口さんと三浦さんは、私と同世代です。

いやーこんな濃いメンバーの女子会ですから、最初は、「ドキュメンタリーの企画はどうあるべきか」とか「どこまでが演出なのか」という、ドキュメンタリー論全開で盛り上がりました。

みんな、一家言あるから、面白いのよー。

関口さんは、前に会ったときに「撮り損なった時にこそ、撮りたかったものがわかる」という名言を吐いているし。

渋谷さんは、フィクションもノンフィクションも同じ。そこには演出が介在するし、最初からもくろみがあるのは当然…と仰る。渋谷さんの作品は、一本筋が貫かれているというか、ブレがない。ご本人もそういう感じ。

関口さんは、豪快でとにかく明るくて、楽しい。作品も、悲惨なテーマであっても、コメディのように仕上げるという天賦の「笑い」のセンスを持っている。これも、本人に似ている。

お金がなくなったから、生活保護を受けようと思って、役所に行って来たんですよーと笑いながら語る人である。

三浦さんは、じっくり型。派手なテーマや演出を選ばず、淡々と対象によりそうように撮っていく。これもまた、穏やかな三浦さん自身に似ている。

四人は四人とも、いわゆる、女性として、一般的な人生を送ってない。四人のうち三人に離婚歴があり、関口さんはシングルマザー。世間が決めたルールに全く従わなかったひとたちだ。

自分もかなりレールをはずれた人生だけど、みんな、それぞれに好き勝手に生きているひとたちなので、話しているとどんどん気持ちが解放されてきて、楽しくなる。

渋谷さんは、50代は女盛りなんだから、たくさんセックスしなさい!などと仰る。これで、一気にセックス談義へ。

詳細は書きませんけど、「ひゃー」っていいながら、笑いながら、いろんな話をしましたよー。

もちろん、Hな話ばかりじゃなくて、これから自分が撮ろうと思っている作品についても、有益なアドバイスをたくさんもらいました。

一気に回復した。

まだまだやれることある、と思った。やらねばと思いました。