山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

45歳までにしておきたいひとつの事柄

日本人の平均年齢は45歳だってことをツイッターを通して、このサイトを教えてもらって知りました。

ざっくり見ていくと、イギリスやフランスでさえ、平均年齢40歳くらいなのに、日本は45歳って、ホントに年寄りの国だったんですね。

若いひとの多い国は活気もあっていいかもしれないけど、自分も中年だから、同じ年頃のひとが多いってことは、安心のような気がする。

みんな若者向けになっちゃって、邪魔もの扱いされたら、きついし。特に女で年をとると、邪魔者扱いされる率が高そうだしね。

よかった、よかった…って言ってる場合じゃないんだろうけど。

で、45歳の国で、美容院に行って、女性誌を見てたら、「美魔女」特集というのをやっていた。

「美魔女」って要するに、40代、50代なのに、そんな風に見えない、美しいひとのことですね。こういうものが流行るのも、45歳の国だからだよね。

いくら40代できれいなひとがいても、平均年齢20歳の国では、とりたてて騒がれないだろう。

美魔女を喜んでいるのは、同世代のはずだ。

確かに自分と同じ歳なのに、若くみえるひとがいたら、励みになる。そんなに年寄りじゃないんだわって思えてくる。そういう効果もあって、流行っているのだろう。

で、そんなことをツイッターに書いていたら、「年相応」にすればいいのに…という意見もあった。

そこで、思った。

「年相応」ってなんだろうって。

いつぐらいかは特定できないけど、かつては、「年相応」ってものがあったのだろう。服装にしろ、振る舞いにしろ、いろいろ決まっていたはずだ。

決まり…といっても法律で決められていたわけではなく、ひとつの村とか共同体のなかで、漠然とルールがあったんだろう。

服装で言えば、着物なら、独身の若い女性は振り袖を着るけど、結婚したら留め袖、とか、ハレとケ(晴れ着と普段着)ってやつがちゃんと決まっていた。

服とは好きなものを着るものではなく、自分の年齢とその場の目的にあわせて着るものだったのだ。

それが破れたのが70年代くらいで、ファッションは自己表現のひとつとなっていく。好きなときに好きな服を着るってことは、当時は革命的だったわけだ。

その頃からどんどん、いろんなルールが壊れた。結婚しない男女が一緒に住む同棲は、最初はふしだらだと批難されたけど、今は普通の出来事だ。

こうして、21世紀までの間に、かなりのルールが壊れたんじゃないかな。法律で決められていること以外は、ほとんど、なにやってもいい…時代になっている。

結婚しなくていいし、同棲してもいいし、結婚式しなくていいし、葬式をレストランでやってもいい。

50代でミニスカートはいても自由だし、男子だって、スカートはいてOKだ。

これはこれで、とてもよいことなんだと思うけど、一方で、基準が欲しくなるんだろうなーと思う。

「20代でやっておく○○個のこと」とか「30歳はターニングポイント」とかっていう、本が売れるわけだ。

新書がブームっていうのは、案外、こういうルールを求めているのかしら…と思う。

自由だけど、指針がほしいってことだよね。まあ、そのルールもどれを選ぶかは自由なわけだけど。

そんなわけで、「45歳までにしておきたいひとつの事柄」というタイトルは意味はないです。45歳のひとが日本では一番多いと知ったので、ターゲットを絞ってみました。

で、「しておきたいこと」ってなにかしら。ホントはそんなもの、ないような気がするのでした。

失礼しました。