山田あかねの一喜一憂日記

テレビディレクターをやりながら、小説書いてます。映画も撮りました。脚本なども書いてます。 本、買って下さいね。

動物のいのち。

昨日は、福島に、動物救済ボランティアに行ってきた。

原発から20キロ圏内に残された犬、猫のことがずっと気がかりで、自分でもなにかできないか、ニュースやネットの情報を見て、ジリジリする日々でした。

で、東京で気に病んでいても、なんにもならない。できることをやりにいこうと思いました。被災してきた犬を一時預かりしてもいいし、里親として生涯、世話をするのもいいじゃないかと思って。

で、ネット上で、動物救済をしている団体を調べ、そのなかのひとつと連絡をとり、行く事になった。

でも…ひとりでいきなり行くのは不安だった。何しろ、福島まで車で4時間かかる…往復運転できる体力はないし、

そもそも、どんな状態になっているかもわからない。

それに、今までボランティアをやったことがない。ロケは肉体労働と言えるかもしれないけど、でも、本当の肉体労働ではない。あとは、日がな、机に座って、好き勝手に何かを書くことしか、やってこなかった。

こんな自分が役に立てるのか…

数々の不安を胸に、まずは移動手段を確保した。ドラマの制作部で日頃からお世話になっているひとに、運転を手伝ってほしいといったら、ふたつ返事で引き受けてくれた。

さあ、これで出発できる。が。

せっかく行くのだから、もう少し、役に立つような人材を集めたほうがいいのではないか。自分など、体力のない、ただの犬好きだ。

ということで、30代の男子2名に声をかけたところ、「行く」という返事をもらい、四人組が成立した。

朝四時、新宿を出発。ドラマ、映画関係者なら誰でも知っている集合場所から。

「ロケに行く」と思えば、どんなことも大丈夫に思えるから不思議だ。参加してくれた2名も映像の仕事を生業としている。

真っ暗な新宿を出て、東北自動車道をひたすら走る。福島に近づくに従って、地震で破壊されたと思われる箇所が時々出てくる。もちろん、今はすみやかに走れるんだけど、つい最近補修されたばかり…のところがたくさんあった。

補修箇所を通るたびに、車ががつんと揺れる。

緊張がたかまってくる。

だいたい、原発は大丈夫なのか。放射能は…。考え出すときりがない。もう、決めたことだ、根性をすえる。

そして、午前7時半頃、現地に到着した。(原発からは80キロ離れている)。

うかがったのは、被災した犬と猫を救出し、世話をしている団体である。広い畑のなかに、テントが並んでいた。

これは夕方に撮影したので、ちょっと日が陰っているけど、こんな感じです。



ボランティア登録をして、スタッフから説明を聞く。

ムリをしないこと。ダメだと思ったら他のひとの力を借りること。ガムテープに名前を書き、体の前後に貼る。

すぐにどこの誰かわかるように。いろいろシステム化されていて感心する。

最初の仕事は、テントのなかのケージにいる犬たちを一頭、一頭外に出し、つなぐこと。

こんな感じ。



その後、水をやり、ご飯を食べさせ、散歩に連れて行く。

一見、のどかで楽しい仕事のようだけど、いや、もちろん、犬の世話をするのは楽しいので、楽しいんだけど、それが、何十頭にもなると、体力的にはけっこう、たいへんだった。

これが、犬たちが、外に繋がれている様子。



すてきな風景でしょう。こうなった背景は決して、すてきなんて言えない事態だけど。

あくまでボランティアとして働くことがテーマだったので、写真はあまり撮らなかった。撮っている暇もなかったし。

けど、何頭か撮ったので、紹介します。



「すわれ」といったら、すわってくれた柴系のミックスくん。



このコも柴系。これくらいのサイズの柴系ミックスが一番多かった。



ビーグルのおじいちゃん。いつも寝ていた。




一番なついてくれたキャバリア系の女の子。里親になろうかとかなり心惹かれた。

全部で40頭くらいいたでしょうか。どの子もやせていて、疲れている様子だった。

こんなかわいい犬たちをおいたまま、家をあとにした飼い主だって、つらかったと思う。いきなり、制限区域にされて。

残された動物は本当にかわいそうだ。つながれたまま、命がつきた者たちもたくさんいると聞いた。

あんまりだ…。彼らにはなんの罪もないのに…。

しかし、一方で、動物を助ける、というのがどれほどたいへんなことかもよくわかった。野性に戻さない限り、世話をする人間が絶対に必要だからだ。

「かわいそう」という軽い気持ちだけでできるものではない。

一日、くたくたになるまで働いた。今でも足や腰に筋肉痛が走る。

でもね、行ってよかったと思った。自分たちの仕事量などどれほど役に立ったかわからないけど、一日でいろんな経験ができたような気がする。

それは同行した2名も同じ気持ちだったようで、夕食を食べに立ち寄ったサービスエリアで、いろいろ話した。

その夜、原発から20キロ圏内は、立ち入り禁止になった…。

まだ、残っている動物もいるというのに…。

まだまだなにひとつ解決されていないのだ。闘いは続く。