山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

松井周「官能をめぐるリーディング」

今夜は、「マルキ・ド・サド」のリーディングに、六本木に行きました。

構成・演出は、俳優で演出家で岸田戯曲賞ウイナーの松井周さんです。

夜の10時からの始まりで、場所はかつての自由劇場があった、地下のライブハウスみたいなところです。

そんなところで、「サド」…。

でも、リーディングだし。気をゆるめて、でかけたら、思っていたのと全然違いました~。

リーディングって、readingだから、本をこう、普通に読むのかと思ってました。いや、もちろん、芸達者な俳優さんが出るのだから、ただ読むだけとは思ってなかったけど、イメージとしては、「ラブレターズ」ってやつ、あるじゃないですか。

男女が、手紙を読み合うだけの舞台。全部、座ったきりで。それでも、充分、ドラマチックであり、なかなかの名舞台です。前に、いくつかのパターンを見に行ったことがあります。

ですから、今回もそういう趣向かと思っていました。

そしたらですねー、readingだけじゃないんです。読むってことを基本にした、二人芝居でありました。

しかも、サド。しかも、舞台上には男女2名。(女性は、上田遙さん)。

サドですから、ご存知のように、アレなわけです。かなり、エロチックな出来事を、持って回ったような、小難しい文章で表現している。

それをたいへん、上手に使っていらっしゃいました。

どれだけ、エロかったかって?

ほほほほ。それはもう、現場にいなければ、わからないことでありました。

神父さま、いけませんわ…そんな大きな、破城槌(はじょうつち)を…。

破城槌ってなんじゃいな…と思いました。調べたら、城門を破るための武器で、巨大な丸太とかのようです。

あら、まあ…なんの比喩でございましょう。そんなもので、開いたり、しめつけたり…。

笑ってばかりおりました…。

しかし、松井周さんという役者さんは、面白いですねー。芝居もすごくキレがいいし。舞台の上をすいすい泳ぐように演じていました。

座席の関係上、上を見上げる感じで、首が少々疲れましたが、楽しい舞台でした。

一冊の本をぱらりとめくるだけで、芝居ができちゃう…という感じが面白かったです。