山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

舞台「ゲヘナ」

今日は、三鷹芸術劇場で、劇団「サンプル」の「ゲヘナ」を見ました。

映画「マイバックページ」を見たとき、主役の妻夫木聡さんの上司役の新聞記者、いいなー、味わいあるなー、と思ったけど、誰か知らなかった。

こんなに芝居うまくて、魅力的な俳優さん、知らないなんて…なぜ、なぜ。と思いつつも、名前を調べ、これから注目するひとリストに入れました。

そしたら、偶然にも「ゲヘナ」を見に行くことになり、そしたら、その方が主演とある…。

お名前は、古舘寛治さんとおっしゃる。

このような運命があるんですねー。

というか、自分がいいなーと思う俳優さんは、たいてい、自分がいいなーと思う芝居に出ている…ということなのでした。偶然ではないのかもしれない。

しかし、今日の舞台での役どころというか、演技は、映画よりずっとユニークというか、くだけた…というか、ふざけた…というか、演技の幅の広いものでした。

映画のなかの新聞記者は、ある時代のある種の新聞記者の典型をとても上手に表現されていて、「あー1970年代にはこういう感じの新聞記者いたんだろうなー、ブンヤなんて呼ばれて」と思わせるリアリティがあったんですね。

でも、今日の芝居の役柄は、2011年に生きている役柄だった。演技の幅が広いということですねー。

この舞台じたいは、リアリズム好きの自分には、ちょっと合わなかったです。抽象画を見ているような感じでした。

一番笑ったのは、岩瀬亮さんが、バイブらしきものをつけて登場し、それでバケツを持ち上げようとしたところ。ペニスの原始的な使い道です。

そんな用途もあったのか…と。いろんな意味から自由になることを表現されていました。

…というわけで、最近の芝居を見て思うのは、欲望から解放された芝居が多いこと。あと中性的な役柄が多い。性別はテーマの重要なものでなくなりつつあると思いました。

それはなぜなんだろう。

自分が若いころはまだまだ、それを引きずっているものが多かった。

本当にもう、解決済みなのかなー

漂白された、無味無臭のものを感じました。

不思議。