山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

おひとりさま

仕事が終わって、赤坂でひとりで夜ご飯を食べた。

いわゆる「おひとりさま」だ。

たまたま隣の席も私と同じくらいの年齢の女性のおひとりさまだった。

疲れていたけど、なんとなく、誰かと話したい気分だったので、となりの女性に話しかけてみようかと思った。

「今日も暑かったですね」とか、「そちらの定食、お味はどうですか」とか、何気ない話を。

でも、勇気がでなかった。そんなふうに、誰かに話しかけたい気持ちになったことがこれまでそんなになかったからかもしれない。

いや、今までは、こんなふうに仕事で疲れたときは、行きつけの飲み屋さんに行って、そこのバーテンダーと話すとか、友だちを誘うとか、そんな風にしてやり過ごしてきたのだ。

けれど、数年前からお酒も飲まなくなったし、夜ごと友だちと会う体力もなくなりつつある。

その他、私には最大の味方、ミニ(犬)がいて、そんなふうにさみしい気持ちの夜は、「早く家に帰って、ミニと散歩に行こう」と思ったものだった。そうして、夜の道をミニと歩いているだけで、いろんなことから解放されることができたのだ。

それもなくなってしまった。

そうなると、「何気ない会話」がとても必要な気がした。

リアルに言えば、私には同居人がいるし、近所に高齢の母も暮らしている。ので、まったくのおひとりさまではないのだけど、「なんとなく、誰かとちょっと話したい夜」というのがあるものだ。

そんなとき、もっと気軽にひとりで夜ご飯を食べているひとと、さらりと話せたらいいなーと思った。

そこからなにかが始まるようなものでなく、どこの誰とも知らず、職業を名乗ることなく、

「疲れましたねー」とか「明日は休み?」とか
「いえ、明日も仕事で、休みがとれるのは、10日後くらいなんですよ」
「まあ、お疲れさま」

…みたいなことをね、ご飯食べながら、なんとなく話して、ご飯終わったら、「じゃ、お先に」なんて、さりげなく去っていけるような…そんなひとりご飯のできる人になりたいと思った夜でした。

実は私は、「ちょっとした会話」というのが結構苦手で、テーマを与えられないと話せない質なので、ほんと、こういうシーン、うまくできないのでした。

いつまでたっても成長できない部分です。

…と長い前振りふうになりましたが、

明日は、元祖「おひとりさま」、上野千鶴子さんの講義が東大であります。

撮影を弊社で行っております。

ネット配信は午後2時から4時まで。

こちらのアドレスから配信されますよー!

WAN

こうご期待!

暑さを吹き飛ばす、知恵にあふれた講演になるでしょう。