山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

これからの働き方。

人気ブロガーのちきりんさんの「未来の働き方を考えよう」を読みました。

「働き方が変わる」みたいなことがよく言われているから、参考にしょうと思った次第です。

ざっくり内容は、今後は、グローバリゼーションとIT化によって、今までとはちがう働き方、生き方が求められる、大企業に入って、一生に一つの仕事をするとか、ずっと日本で暮らす、なんてひとはそんなに多くなくなるし、安泰でもない。

外国人もたくさんやってくるし、外国で長く働く可能性も高くなるそうです。

寿命が延びて、人生80年、ややもすると100年生きるかもしれないから、人生に仕事はひとつ、という考え方から抜けて、40歳くらいで、別の仕事をする、人生を2つのブロックで考える……くらいの構えでいったほうがいい、というようなことが書いてありました。

なるほどねー。

と思う一方で、自分などは、大企業で働いた経験もなく、貯金も保険も考えたこともなく、犬のためにマンションを買ったので不動産はあるといえばありますが、結婚、子供などについても、いわゆる、一般的なものを目指したことはほとんどないので、逆に、本当にそういうことを考えているひとが多数派だったんだ…ということに今更ながら、驚きました。

この作者と私は殆ど同世代ですが、就職するときに、大企業に入ろう…という発想が全くなかったし、憧れもなかったです。(あっても入れなかったけど)

自分の「大企業」のイメージは、端的に面倒くさそう…だったからです。

朝早く行かないといけない。しかも、毎日!

偉いひとがいて、怒られそう。規則が厳しそう…というほとんど、「学校」に対するのと同じイメージでした。

先生がいて、校長がいて、教室があって、授業があって、決められた席にじっとしていないといけなくて。

やっとそういう生活から抜け出せたのに、なんでまた、そんなところへ行くんだ…と思ってました。

が。

最近になって、大企業って得なんだなーってわかった。留学費用出してくれたり、社宅や福利厚生施設が充実していたり、そもそも給料が高い、いいこといっぱいあったですね…今更気づくなって感じですが。

自分は、大学卒業後、テレビの制作会社に8年勤めました。学生のころからライターのバイトをしていたので、そのままフリーでも良かったのですが、「サラリーマン」というのを1度やってみたかったし、このチャンスを逃したら、そういう経験は2度とできないと知っていたので、喜んで就職活動をしました。

で、制作会社に入ったわけですが、「そんなのサラリーマンと呼べない」とのちに言われました。本当のサラリーマンはもっとずっとちゃんとしているらしい。朝も早いだろうし、服装も厳しいだろうし、ショムニみたいに制服を着せられたかもしれないし、お茶くみサービスなどもあったかもしれない。

そう言われたら、全然、OLでもサラリーマンでもなかったのですが、それでも、続かなかったです。組織に所属しているという状態は、30歳が限界でした。

以後はずっとフリーですが、この本にあるような、未来の(?)働き方をしてきました。

基本の仕事はテレビのディレクターでしたが、半年働いて、半年小説を書いたり、来た仕事全部やって稼いだ後、ずっと遊んだり、友人や親族の看病のために休んだり、内容もドキュメンタリーやったり、ドラマ撮ったり、書いたり、小説書いたり、映画やったり。

ロンドンの犬の施設でボランティアで2ヶ月働いたり。取材と称して、アフリカや中東行ったり。

貯金をしようと思ったことが1度もなく、稼いだらほとんど使う生活でここまで来てしまいました。

銀行口座の残金が5万円になったこともあったし、友人に借金して生活したこともありましたなー。

「ひとつの仕事に生涯をかける」ってことにいつも引け目を感じてきました。じっとしていられない。次々興味がうつってしまうからです。落ち着きのない子供のように。

テレビ屋としても中途半端、物書きだけもやっていられず、あっちこっちと手を伸ばして。最近、経済学をかじって、「リスク分散」という考え方を知りましたが、考えようによっては、それを実践してました。

たしかに、いろんなことをやっているので、ひとつこけたら、全部失う、みたいなことがなく、いつもなにかしら仕事がありました。

が、それも、計画してリスク分散したわけじゃなく、知らないうちに分散してただけです。

この働き方についても、意識してそうなったのではなく、むしろ、意識としては、「ちゃんとしよう」「ひとつのことをやりとげよう」としてきたのに、結果、広がってしまうのでした。

ダメじゃん。

でもそれが、「未来の働き方」だっていうんですよー。

じゃ、ダメじゃなかったのか…。

いや、「未来の」ってことだから、早すぎたとも言えて、少なくとも正解ではなかったんでしょう。

もっと○○一筋にやってきたら、世界が変わっていたかも…。

なわけで、すでに未来の働き方をやってきてしまった人はどうすればいいんでしょう…とちょっと途方に暮れました。30秒くらいですが。

でも、人生の時間が限られてきていることだけは確かだから、もうちょっと心して生きてゆきたいです。

最近、見たモノメモ

「サンセット大通り」(ビリーワイルダー監督)

「チャーリーとチョコレート工場」(テイム・バートン監督)

「女のみち 2012」(ペヤンヌ・マキ作・演出)DVDで。

「ザ・ノンフィクション 英恵 ゆれる」(フジテレビ)DVDで。

映画館に行けてないのが、くるしいです。