山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

城山羊の会「仲直りするために果物を」

今日は、城山羊の会の「仲直りするために果物を」を見てきた。

お弁当ドラマに出演していただいた、松井周さんが出ていたし、山内ケンジさんの作品、興味あるし。

しかし、すっごいハードな舞台だった。

最初はクスクス笑いながら、多少じれったく見ていたのに、物語が進むうちに、どんどん、中身が濃くなって、登場人物それぞれがそれぞれに恐ろしくて。

トルストイの「幸せな家庭とはどれも似たようなものだが、不幸な家庭とはそれぞれに不幸である」のバージョンみたいで、

いい人はだれも似たようにいい人だけど、悪人というのは、それぞれに悪人である、というような。

たったひとりも、「いい人」がいなくて、みんな一様にへんで。

むしろ、最初の頃、「いやな奴だなあ」と思った奴が、終盤、案外、一番まともなんじゃないか、と思えたり。

そりゃあもう、恐ろしかった。

人間のダークな面ばかりを見た気がして、観劇後はちょっとぐったりした。

でも、生身の人間が、目の前で、「悪」のようなものを見せてくれるのには、不思議に惹きつけられる。

どこかでもっと、ひどいことが起こりますようにとも思ってしまう。

でも、作品というのは、どこまでも自由なんだってことがわかって、勇気づけられた。

負けるな、自分。