「ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側」ご覧に下さった方々、ありがとうございます。
先日、「犬猫みなしご救援隊」の中谷百里さんと、多頭飼育崩壊の取材に出かけたのですが、
(放送終わったばかりですが、すでに次の取材を始めておりまして……)
その帰り道、コンビニやガソリンスタンドで、
「テレビ、見ました!」「頑張ってください」と声をかけられました。
今更ながら、テレビの影響ってすごいですね。
中谷さん、一躍人気ものです。
多頭飼育崩壊については、毎回、「なんでここまで来てしまったんだろう」と思います。
無責任に増やすことはあってはならないことだと思いますが、
誰か止めるひとがいてくれたら、「助けてください」と言える場所があれば、
ここまでには至らなかっただろうとしみじみ思いました。
編集の過程で、「俺もこうなるかも…」とか「自分にも可能性がある…」と言うひとが結構いました。
私自身、自分もそうなる可能性を常に感じています。
だから、崩壊まで至ったひとたちを、いたずらに責めることがないように。
彼らを責めても解決しない。
責めて、孤立して、隠すようになったら、もっとも被害を被るのは犬と猫たちだからです。
「多頭飼育崩壊」にならないためにどうしたらいいか、を考えるにきっかけになれたらと思って番組を作っています。
中谷さんが言うように、きちんと「避妊去勢」することが第一歩です。
それを多くのひとに知ってもらえたらと思います。
そして、相談できる場所をつくることも大切だと思います。
チビとおじいちゃんへの感想もたくさんいただきました。
「感動しました」「泣きました」…と。
私もはじめて、チビがおじいちゃんと再会したとき、とても胸を打たれました。
実は、「みなしご救援隊」のシェルターで、初めてチビを見た時、
唸っていて、怖かったんです。
「さわったらかむから、近づかないで」と言われました。
そんなチビが、おじいちゃんに会うとホントに嬉しそうにする……
犬の愛らしさ、飼い主を思う強さを感じたものです。
それ以来、犬と人間の絆を紹介できると思って、取材をさせてもらってきました。
チビは一般の人が飼うのはむずかしい犬なんです。
「みなしご救援隊」に預けられてから、中谷さんと田原さんにはなつくようになりましたが、
精神が不安定だったので、いつ、何時、気持ちがゆらぐかわかりません。
だから、中谷さんたちが、正式な依頼を受けて、預かっています。
(「みなしご救援隊」には、そういった、普通のひとが飼うのにはむずかしい犬たちがたくさんいます。)
チビは愛らしいけれど、その背景にはいろんないたみと事情があること、
理解してもらえたらと思っています。
私も何回もチビに会っていますが、安易にさわったりせず、気をつけています。
そういう犬もいるということ。
それも伝えられたらと思っています。